能登半島には豊かな自然と長年培われてきた文化があります。しかし、「日本病」ともいえる地域の過疎化や高齢化は能登半島でも例外ではありません。
担い手がいなくなることで、文化を育む土台である人々の共同体や自然が損なわれつつあります。手入れされなくなった里山が荒れ、かつて先人が心血を
注いだ田畑はうっそうとした原野に戻ろうとしています。
こうした事情にかんがみ、金沢大学では三井物産環境基金の支援を受け、奥能登で活躍する多彩な人材と協力しながら、身近な自然である里山や 里海の保全と再生、さらに環境に配慮した農林水産業を基盤とした地域振興策を提言していきます。その拠点として、石川県珠洲市の廃校となった小学校を 再生し、「能登半島 里山里海自然学校」を開設しました。
この学校を自然と向き合う知恵を学ぶ場として整えたい。里山里海自然学校にはそんな願いが込められています。