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2009年08月03日

珠洲の希少な生物を守る取り組み

初めまして、愛媛大学大学院農学研究科の野村進也といいます。
所属こそ愛媛大学ですが実際には関西生まれの横浜育ちです。昨年に能登に移り住んで以来、ゲンゴロウの調査研究を行っています。奥能登では未だ健全な里山環境が残り、多く残る溜池を中心に興味深い水生昆虫相が見られます。

ゲンゴロウは誰もが知っている代表的な水生昆虫であり皆さんも恐らく御存知でしょう。反面、ゲンゴロウを見たことのある人はどのくらいいるでしょうか?
地域の中高年以上の方に話を伺うと、ほぼ確実に「昔は沢山いた」との答えが返ってくると同時に、「最近は見なくなった」とも聞きます。更に下の年代では、殆どが見たこともないといいます。何故でしょうか?

ゲンゴロウはかつて全国にありふれた水生昆虫でしたが、戦後の環境変化に伴い激減してしまいました。開発などの環境破壊、里山や農村の衰退、農薬使用など農業形態の変化、外来種による圧迫など、複雑多岐ながら様々な原因がゲンゴロウ他多くの里山生物を圧迫したことは確かです。

特に環境破壊の問題は都市部近辺に顕著ですが、奥能登では人口減少や農業の衰退による里山放棄の問題に直面しており、私は里山環境評価の為の調査を珠洲の溜め池やビオトープで行っています。

特にゲンゴロウは生活史に合わせて溜め池や水田を上手く利用するなど、里山環境に適応した生き物です。それが全国で激減するということは、いかに日本の里地里山が危機に瀕しているかを物語っているかがわかるでしょう。

2008年度から,NPO法人能登半島おらっちゃの里山里海では,環境省「生物多様性保全推進事業」に参加しており,珠洲各地でビオトープの造成や,外来種の駆除,生物相の再生過程のモニタリングを行っています.私はその中で,ゲンゴロウ類を中心とした水生生物の調査を行っています.

昨今の環境問題への意識向上に加え、里山への注目も相まってメダカやカエルと共に、ゲンゴロウもまた里山生物の代表種として注目は高まっています。

今尚貴重なゲンゴロウが生息すること自体が、里山が健全に機能する証でもあり、こうした里山環境をいかに守り、いかに次世代に伝えていくかは私達にとっても大事な役目となるでしょう。私も微力ながらそのお手伝いをしていきたいと考えています。

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写真は,珠洲市三崎町のビオトープ.

投稿者 赤石大輔 : 10:56 | コメント (0)