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2013年12月08日

「能登の狩猟を学ぼう」終了しました。

能登の里山里海を学ぶワークショップ第4段、「能登の狩猟を学ぼう」、無事終了いたしました。
(地球環境基金の支援を受けて実施しています)

講師の先生、ご参加いただいた皆様にお礼申し上げます。
ありがとうございました。

NPOおらっちゃの里山里海は、能登の里山里海の生物多様性や伝統文化を守り伝える活動をしています。
昨年度から実施している能登の里山里海を学ぶワークショップでは、いろいろな世代の人たちが一つのことについて学ぶ場を作ることができたと実感しています。

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今回は、能登の狩猟について学ぶ会となりました。
昨年度のワークショップでは、「鶏を食べる会」をしました。鶏を自分の手で殺して裁き、料理するところまでを半日かけて実施しました。参加者の方も多数で、いろいろな意見が出ましたが、「命のありがたさを学んだ」といったコメントが多く、神妙な感じというか、ちょっと真面目な感じになりすぎたかなと思いました。

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これは私の個人的な意見ですが、昔の人は鶏を潰すときはそんなにありがたいと思ってやっていたのかな、むしろ普通のこととして淡々とこなしていたのではないかな、と。日常の中に動物の生き死にが当たり前にあった、それが近年ずいぶん遠いものになってしまったことが問題なのかなと思いました。

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今回の狩猟について学ぶ会は、「命のありがたみを体感する」、とか大上段に構えず、鴨、シカ、イノシシってどんな味なの。猟師さんはどうやって捕っているの。という興味から入ろうと思いました。

能登の狩猟はおもに鳥類対象です。江戸時代から明治ごろまではイノシシやシカが能登に生息し、農家が獣害で苦労したという記録が残っています。シカは明治に軍隊が毛皮をとるために大量に捕り、絶滅してしまったそうです。その後は、半島で周囲から動物が入りにくい地形もあり、100年以上獣害の無い地域でした。

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猟師さんのお話ではマガモやキジを捕っているそうです。現在は珠洲と内浦で鉄砲打ちが9名、最高齢は80歳とのこ
と。年間30羽程度、自分で食べたり、お使い物にしたり、知人にわけたりするということでした。

「お金に替えることはしない、猟が汚くなるから。」

猟師の心意気というか、狩猟の本質なのかもしれないと思いました。
お金に替えることを前提に猟をすると、一つでも多く捕りたくなる。必要以上に捕るようになる。ということかと思います。
今は全国でイノシシやシカが大増殖しているので、市場に流通させることで有効利用しようという方向です。しかし本当に持続可能な形がとれるのか、野生動物との付き合い方は本当にそれでいいのか、ちょっと疑問を持っています。

猟師さんにお話を聞いた後は、実際に鴨を裁いてもらいました。今回はメスのマガモを持ってきていただきました。慣れた手つきできれいに羽をとり、お肉に解体するまで、だいたい1時間。見事でした。子供たちには刺激が強いかなと思いましたが、みんな興味深く見ていました。

最後は鴨鍋、猪鍋、シカのソテーをみんなで料理して食べました。鴨肉は濃厚でレバーっぽい感じのある肉でした。イノシシ肉はあぶらが甘くておいしかったです。シカはさっぱりしていてこちらも美味でした。

みんなおなかいっぱいになって帰りました。能登にいてもイノシシの獣害など他人事という人も多数です。地域の食材で楽しい食事を楽しむこと、これが里山を自分たちの問題としてとらえる第一歩なのかなと思いました。

投稿者 赤石大輔 : 2013年12月08日 14:24

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