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2013年06月08日

ビオトープで田植え

6月8日

小泊のビオトープで、田植えを行いました。
今年で7回目となりましたビオトープでの田植えです。参加者は10名、里帰りしていた若い女性も参加してくださいました。
今年はモチ米を植えました。秋冬に餅をついてイベントでぼたもちなどを販売する予定です。

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5月31日に開催された、世界農業遺産の視察旅行のコースにいれていただき、多くの方にこのビオトープを見ていただきました。

30名程がお越しになられ、もとGIAHS事務局長で、現在はGIAHS基金代表のパルヴィス・クーハフカン氏もお越しになられ、保全活動や環境教育についてよくやっているとお言葉おいただきました。

今回は韓国からのお客さんも多数来られていました。
韓国ではまだGIAHSの認定地域がないのですが、韓国国内の農業遺産を独自で認定する制度を作っています。中国もNIAHS(Nationally important agricultural system) を作っていて、日本よりも進んでいます。

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韓国の方がこのビオトープを見て「これのどこが世界農業遺産なのか」と言う質問をされました。
たしかに僅か5筆の田んぼと、ため池、小さなビオトープが農業遺産であると胸を張ることはできません。しかし私はこのように説明しました。

「能登の農業は、ため池を利用した棚田を作り維持されてきました。そこに多様な生物が生息し、独自の生態系を作ってきました。珠洲には数百のため池と棚田が存在しています。しかしご覧のように、棚田は耕作されなくなり、ため池の多くは利用されなくなり埋もれ、水質も変化しています。生物の生息地も減少し,多くの生物の絶滅が危ぶまれています。世界農業遺産「能登の里山里海」を維持していくことが困難になっている、この現状を皆さんに見ていただきたいと思います」

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「また、一方で,ここには今なお絶滅危惧種の生物が生き残り、このようにNPOが中心となり多くの主体が参加して里山の維持が試みられています。子どもたちへの環境教育の場としても利用され、次世代に能登の里山里海の伝統文化と生物多様性の重要性を伝える取り組みを行っています」

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世界農業遺産は素晴らしい仕組みだと思います。しかしそれは広大な棚田が残っている景観や、草原地帯、オアシスやトキの舞う田んぼを観光資源化しようという取り組みだけではないと思います。能登の里山里海で人が生きてきた歴史、自然と折り合いをつけて利用してきた技術、そこで生き残ってきた生物多様性、これらを多くの人と共有し、社会に活かしていくことが目的の1つだとかんがえます。

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今回日本では、阿蘇山と静岡の茶草場、そして大分のクヌギ林など3ヶ所が新たに認定されました。国内で5つのサイトを持つこととなり、今後はこの5地域が連携して世界農業遺産を推進していく体制作りが必要です。

ビオトープでは、今年もヒツジグサが花をつけていました。
小さな花が、水面で一生懸命咲いている姿が、これからも見られるといいなと思います。

投稿者 赤石大輔 : 2013年06月08日 17:08

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