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2012年09月29日

外来種についてのワークショップ

珠洲市の生物多様性のための地域連携保全計画策定のため,今年度は様々なテーマについて,その解決策と多様な主体の連携を目指してワークショップを開催しております.

今年度第1回のワークショップは,「珠洲の里山里海における外来種の問題について」です.
参加者は,大学の先生,研究員,NPOスタッフ,農家のみなさん,県の担当職員にお越しいただきました.

現在の日本はどこへいっても,たくさんの外来種にあふれています.外来種というのは,他の地域から人為的に持ち込まれた生物のこと,とあります.外来種はなにやら問題らしい,という認識を多くの方が持ってらっしゃいますが,外来種全てが今おおきな問題を引き起こしているわけではありません.

P1011560.jpg

日本人の大切な食べものであるお米だって,昔大陸から渡ってきた外来種,と言うこともできます.

日本で現在問題になっている外来種は,地域の自然環境に大きな影響を与え,生物多様性を脅かす恐れのある一部の生物たちです.これらを侵略的外来種と言ったりしています.その中でも特に問題になっている生物を,国は特定外来生物として指定しています.

特定外来生物は法律により,「その飼養,栽培,保管,運搬,輸入」について厳しく規制されています.

珠洲市で現在確認されている侵略的外来種はこちらです.

ブラックバス:寺家ダム
オオキンケイギク:珠洲一円(多い)
オオハンゴンソウ:珠洲一円(少ない)
アレチウリ:珠洲一円(不明)

また,特定外来生物にはなっていませんが,問題のある生物を要注意外来生物と指定しています.これは,栽培や運搬に関して法律による規制はありませんが,国民の皆さんに「理解と協力をお願いする」ことになっています.

珠洲市の要注意外来生物
アメリカザリガニ:カメンタン池,若山水路.
ミシシッピアカミミガメ:カメンタン池.
セイタカアワダチソウ,ブタナ,ニセアカシア等:珠洲一円

となっています.

ワークショップでは,珠洲市の外来種対策の具体的な方針を決めていくための作業を行います.問題になっている,またなりそうな外来生物の管理,可能なら根絶のための作業を決めていきます.上に上げた外来種の,対策をうつ優先順位も決めることになると思います.

P1011568.jpg

たとえば,特定外来生物ではありませんが,アメリカザリガニは珠洲の里山の生物多様性に影響を与えることが考えられていますので,優先順位は高くなりそうです.全国でもほとんど珠洲でしか見られない希少生物の生息地を破壊する恐れがあるからです.

ではアメリカザリガニを珠洲から根絶できるのか,どの程度捕獲すれば効果があるのか,という検証も専門家の協力を得て行っていきます.それでも根絶は難しいのではないかと思います.

「根絶」,という言葉を多用していますが,これはCBD-COP10生物多様性締約国会議で採択された愛知目標の中の,外来種対策の中で使われています.

目標9: 2020年までに、侵略的外来種とその定着経路が特定され、優先順位付 けられ、優先度の高い種が制御され又は根絶される、また、侵略的外 来種の導入又は定着を防止するために定着経路を管理するための対策 が講じられる。

国では外来種の根絶事例をどこかで作りたいと思っています.それを成果として公表したいと考えています.しかし爆発的な繁殖力を持ち広範囲に広がっている生物を根絶することはかなり難しく,現実的な解として,なるべく低密度に抑え,広がらないように努力する以外ないのだと思います.

珠洲市の生物多様性を保全するために,私たちは議論を重ね,より具体的で現実的な提案をしていきたいと思います.

投稿者 赤石大輔 : 11:02 | コメント (0)

2012年09月20日

2012年まつたけ予報

9月になってもいつまでも暑いですね.
昨日は新潟ではフェーン現象で37度以上になったとか.
昔金沢でバイト先のおばちゃんが,「今日は暑いねー,ふえんやね,ふえん」と言っているのを聞いたときから,フェーン現象を知りました.おもに日本海側で起るらしいですね.

さて,こんなに暑い日が続き雨も降らないとなると,心配なのは秋のきのこ狩りです.
今年はどんな年になるでしょうか.これまでの統計資料を振り返り,予測してみましょう.

過去4年間,2009年から2012年の9月〜10月の降水量と気温について比較をしてみます.
この期間には,戦後最悪の生産量と言われた2009年と,近年稀に見る豊作の2010年という対照的な年を含むため傾向が分かりやすいかと思います.

それではまず2009年見てみましょう.

2009.png

青いバーが降水量,赤い折れ線が気温の変化です.
9月には20mmを超える日が一度もありません.10月に入って2日ほど50−90mm程度の雨が降っています.雨が少ない年でした.
日の平均気温は9月の頭から25度を下回る,涼しい年だったようです.
マツタケが全くでなかった年は,このような降水量の少ない年でした.

2010.png

次に豊作の2010年を見ます.COP10が名古屋で開催された年ですね.
9月の上旬から,コンスタントに20ー40mm程度の雨が降っています.秋のお祭りが雨に見舞われた地域が多かったのではないでしょうか.10月は余り雨が降っていません.気温は9月中旬まで25度前後ですが,20日過ぎから急激に涼しくなったことをよく覚えています.このような年にマツタケは豊作となりました.マツタケ以外の天然のきのこも多数採れ,直売所ではきのこがあふれていました.

2011.png

そして,2011年はどうでしょう.
9月の頭は雨が少ないですが,9月20日に大きな雨が降りました.これは台風の影響でした.それ以降も余り雨が降っていません.気温の傾向は2010年に近いですね.この年はマツタケは少ないがそれでもそこそこ採れたと聞いています.マツタケ以外のきのこが全然なくて,たとえば能登で良く食べるしばたけ(アミタケ)が手に入らない,ということだったように思います.

2012.png

最後に,今年2012年の現在までの様子を観てみます.
あー,雨が全然降ってませんね.2009年と良くにていますね.気温も高めです.今年は雨不足でため池の水が干上がるなどのニュースもありました.不作の年に近い傾向です.マツタケの豊作のためにも,この後,ある程度まとまって雨が降って欲しいですね.

以上,マツタケ予報でした.

投稿者 赤石大輔 : 18:13 | コメント (0)