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2012年03月31日

珠洲市の地域連携保全計画について

3月16日

平成23年度も終わろうとしております.色々と締めきりに追われていましたが何とかこなすことができました.今年度の事業の中でも最も重要なものの一つに,珠洲市の生物多様性の保全計画について検討する,地域連携保全計画の策定事業があります.

本事業は今年度から3年間の予定で,珠洲市の希少種や外来種,獣害への対策を考え,地域の手で保全していこうという取り組みです.しかし単に生物の保全を目指すだけではありません、生物多様性を,いかにして地域の資源として利用していくか.利用の中で保全を取り組めるか,が最も重要なポイントになってきます.

そして生物多様性の利用保全が珠洲市の価値を高めることが最終目標です.地域に住む人にとって,そして地域外の方々にも珠洲が素敵な地域として見ていただける.珠洲へ訪れる人,珠洲のものを買う人,珠洲に住む人を作っていけるか,ということも考えて計画を立てていきたいと思います.

今年度は,協議会の設立,地域住民参加のワークショップ,専門家をお呼びして具体的な保全計画を立てるワークショップ,生物多様性情報の収集と地図化の作業を行ってきました.

生物多様性情報について,これまで珠洲市にはゲンゴロウ類などの昆虫やオオヒシクイといった渡り鳥など,希少生物が生息すると言われてきました.またアメリカザリガニやブラックバスという外来種の侵入も指摘されてきました.しかしそれらの生物が,どこにどの程度分布しているのか,詳細な情報については珠洲市は把握していない状態でした.

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珠洲市のような小さな自治体には,自然環境,生物多様性の保全に特化した部署はありません.今は生物多様性の情報が十分そろっていることはあり得ません.必要な場合は,新たな調査を行い、生物の分布を把握zる作業も必要になると思います.しかし,今年度から企画財政課に自然共生係ができました.世界農業遺産に認定されたことを受け,世界農業遺産に関する業務のほかに,地球温暖化やバイオマス推進等を担う部署です.生物多様性保全計画についてもここで取り扱っています.

自然共生係についてはこちら →  珠洲市企画財政課の業務内容

今回の作業では,石川県にも多くの支援をいただきました.しかし石川県庁にさえ,十分な情報がそろっていないということでした.

そこで,石川県の自然史資料館,動物園,各生物の同好会,愛好家の方々,アセスメント業者などにも問い合わせました.一部では珠洲の生物についての情報があるとお答えいただき,皆さん調査にも協力したいとおっしゃっていただきました.しかし,2000年代に行われた調査自体が本当にごくわずかで,生物の情報はほとんどそろっていない,ということがわかりました.大学もNPOも調査を行ってきましたが,広範囲のデータ収集はできていません.

来年度からは,金沢大学やNPOおらっちゃの協力のもと,珠洲市の生物の分布調査を行う必要がありそうです.予算についても未定ですが,潤沢とは言えません.限られた人員と予算の中で,可能な限り作業を行っていきたいと思います.

生物多様性の地域連携保全計画は,平成24年度にそのおおまかな流れを完成させる予定です.平成25年度には皆様に計画の骨子を把握していただき,吟味していただくためワークショップやコメントを募る作業をし,完成さていく予定です.

日本一小さな市の,大きな挑戦に,ぜひご注目いただきたいと思います.

投稿者 赤石大輔 : 17:22 | コメント (0)

2012年03月28日

第192回へんざいもん

第192回 里山里海自然学校へんざいもん 平成24年3月17日 本日利用人数:72人
P3170003_R-1.jpg<<本日のメニュー>>
品 名
・赤飯
・いなりずし
・おにぎり
・海藻の粕汁
・鶏の唐揚げ
・サンマのケチャップ和え
・玉子焼き
・煮しめ
・ギョーザの皮の春巻き
・ぜんまいの煮物
・かじめの煮物
・白菜の胡麻和え
・人参のふきのとう味噌和え
・かぶの酢の物
・大根サラダ
・漬け物


 本日は能登里山マイスター4期生の修了式でしたので、へんざいもんは立食パーティです。ご覧の通りの料理とお赤飯で、修了式を祝いました。修了生の皆さんは、晴れ晴れとしたお顔で会話を楽しみながら食事をしておられました。本当におめでとうございます。
 P3170002_R-1.jpg人参と和えたふきのとう味噌は、ちょっと苦みがあってこの季節ならではの味ではないでしょうか。雪の下で甘くなったこの時期のかぶは、酢漬けにすると何ともいえない好きな味です。思わず揚げ餃子かと思った一品は、餃子の皮を使って揚げた春巻きでした。少しのサプライズとともにおいしくいただきました。

                
 

 さて平成19年12月16日のプレオープンから数えて4年と3カ月。里山マイスターや能登学舎を訪れた人たちの胃袋を満足させてきたへんざいもんも、今回をもってお休みします。長い間、おいしい料理をありがとうございました。IMGP0442_R.jpg

 へんざいもんはしばらくは充電期間だそうです。私も再開される時を楽しみに待つことにいたしますので、皆さまも乞うご期待!


投稿者 赤石大輔 : 12:01 | コメント (0)

2012年03月16日

第190・191回へんざいもん

第190回 里山里海自然学校へんざいもん 平成24年3月9日 本日利用人数:23人
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<<本日のメニュー>>
品 名
・ホウレンソウと大豆のカレー
・ビーツのヨーグルトソース添え
・カブのソムタム風
・サツマ芋のロースト(ふきねぎ添え)
・ハス茶

 


 本日はへんざいもん番外編。マイスター4期生・中谷なほさんの“小さなおうち”編です。昨日より里山マイスターの視察にいらしていた宇都宮大学の方々が食事をされました。
 メニューはとても“ハイカラ”ですが、食材はもちろん地元のものを使用。ビーツとカブは里山マイスター、カレーのご飯はNPOおらっちゃが作った無農薬米、サツマ芋のローストに添えてあった“ふきねぎ”のフキノトウは学舎付近で採ったもの。その他の野菜も地元産です。ホウレンソウと大豆のカレーはスパイスが効いていて、辛くないけどコクのあるカレー。ビーツは初めてでしたが、とうもろこしのような風味にヨーグルトソースがピッタリでした。
 最後にハスの花の香りがするハス茶(これはベトナム産)を飲んで癒されました。宇都宮大学の方々はいかがだったでしょうか。本日もごちそうさまでした。


第191回 里山里海自然学校へんざいもん 平成24年3月10日 本日利用人数:30人
_DSC0014_R-2.jpg<<本日のメニュー>>
品 名
・ご飯
・つみれ汁
・サンマとアジのケチャップ和え
・フキノトウの天ぷら(フキノトウ味噌)
・茶碗蒸し
・おから
・切り干し大根
・大根サラダ
・ゼンマイの煮物
・大根のとろろがけ
・漬け物


 本日も豊富なメニューでした。フキノトウの天ぷらは今年初。春ですね~。ずいぶんと暖かくなりました。何日か前に雪が少し降りましたが、この前までの大雪がウソのようです。
 サンマとアジのケチャップ和えも珍しいメニュー。家では焼いたり煮たりしかしない魚料理も、まったく違う料理になるからすごい。魚が苦手なお子さんにもおすすめしたい一品でした。そして何気なく食べた“大根サラダ”にビックリ。ドレッシングがとてもおいしくて、すぐにスタッフの沢谷さんに伺いました。なんとマヨネーズに醤油を加えただけの簡単ドレッシング!!私は初めての味でしたが、沢谷さんのご家庭ではよく作るそうです。これに、すりゴマを加えると“胡麻ドレッシング”にもなるし、何にかけてもおいしいそうです。とにかくおいしくて簡単なので、すぐに家でも試してみようと思いました。本日もごちそうさまでした。


今回のおすすめは、春のレシピ「ふきのとう味噌」です。

今月のお勧めレシピ,詳細はこちら →
のとの郷土料理百選

投稿者 赤石大輔 : 14:00 | コメント (0)

2012年03月08日

地域連携保全計画ワークショップ

2月17日
珠洲市が実施している,地域連携保全計画のワークショップに参加してきました.

このワークショップの目的は,珠洲市地域連携保全計画協議会のメンバーである農林水産業団体,企業,NPO等,に珠洲市の自然や将来についての思い,貢献可能な活動,組織の強み,その他の意見を引き出す作業です.H23年度は,協議会メンバーである能登建設,JA珠洲,農事法人組合きずな,のと森林,JF珠洲支所を対象に実施予定です.

開催場所は能登建設の事務所をお借りしました.参加者は,能登建設の社長さん他1名,市役所から事務局1名,NPOおらっちゃから赤石ほか2名.金沢大学から1名です.
赤石が,コーディネーターとしてワークショップの進行をさせていただきました.

準備したものは,珠洲市管内地図1枚.ポストイット.カラーペン5色.
ワークショップのイメージは,地元学などで行われている一般的な手法で,
・円卓で参加者が囲んで,地図等を広げながらアイディアを出していく.
・議題に合わせてポストイットでアイディアを出していく.
といった方法をとりました.

ワークショップ議題,まずは,これまでの取り組みを振り返る.
ということで,社員さんからお話を伺いました.以前から,三崎町宇治の海岸の清掃活動や,事務所のある上戸町から宇治までの道路12kmほどを社員でゴミ拾い.JA三崎にある共有地を草刈り.セイタカアワダチソウの駆除等をされていたそうです.

また,3年前よりNPOおらっちゃへの支援として,ビオトープの草刈り作業,小泊のアカマツ保全林の保全活動.始まりは環境省の生物多様性地域支援事業でビオトープの整備を請け負っていただいた時からのお付き合いです.

感想として,
・里山里海自然学校の活動に貢献できたことはうれしい.
・何をやっているのか判るように説明して欲しい.
・ビオトープならどのように良くなっているか.アカマツ保全林ならきのこが増えているのか,など経過を知りたい.
といった意見が出ました.

続いて,珠洲の自然に対する思い,守りたい生物,自然景観について伺ったところ,地域固有の生物の呼び名,遊びなどが沢山出てきました.
・ガナ(ヤドカリ)を潰して餌にして魚を釣る.岩虫は高級な餌.なかなか採れない.
・ガンチョ(カニ)の巣穴に砂を入れてカニをとる遊び.
・ナンシャ(なぎさ)遊びを子供たちに伝えたい.珠洲市は親子キャンプでナンシャ遊びを実施.
・しだだみ,あぶらめ,サザエをとって食べた.浜で流木を燃やして食べる.
・せっぱ(木材の切り落とし、木の皮がついた外側部分),ほえ(乾燥させた小枝),すんば(枯れた杉の葉),あまんだか(ほえの保管場所),などなど地域で使われていた暮らしの中の言葉も多数でました.

地域の自然の変化については,
・三崎の山でも,昔はマツタケが沢山採れた.
・昔は三崎から上戸までずーっと塩田だった.
・小泊などの山は薪のために沢山木が切られて,アカマツ林が残り,マツタケ山になった.
・重油流出事故から岩虫が採れなくなった.
といった意見も出ました.

普段,ゲンゴロウなど希少種やブラックバスといった外来種のことではあまり話が盛り上がらなのですが,このように,子どもの頃から親しんだ自然や生き物に関しては尽きることなく話題が出てきました.また,子どもの頃の遊びや手伝い仕事から里山里海の豊かさが伝わってきます.保全計画に導入すべき重要な要素であると再認識しました.

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続いて,能登建設さんの得意分野など,里山保全でどのような展開,可能性が出来るか伺ったところ,
・ボーリング調査の実績から,急峻な山頂に重機を運搬するモノレールを設置する技術を持っている.トロッコのように人も運べる.200kg程度なら一度に運べる.全長500mまで伸ばせる.短期間で設置可能.
・高知県などでは,シイタケのホダ木を運搬するために森林に導入されている.
・珠洲市はアカマツ林の整備後に,山から木を下ろすことが出来ずバイオマスの利用ができていない.モノレールの導入で解決できることがあるのでは.
・シイタケのホダ木も山から出す方法がない.モノレールを使って未利用資源の開拓が可能になるのではないか.
・保全活動を実施する際は,力仕事,草刈り,山の整備などは得意.重機を使った仕事も可能.

といった意見がでました.急勾配の里山林の管理などで,モノレールが活躍する日が来るかもしれません.保全計画のなかに組み込んでいければと思います.

今回は,はじめてワークショップを実施しました.手法も試行錯誤しながらですが,参加者の方から色々な意見が出て,保全計画に取り入れるべき内容も聞き出せたと思います.今後も,年度内に数回ワークショップを開催し,各分野の方々から,また生物の専門家も参加していただき,保全計画に必要な地域の要素を抽出していく予定です.

投稿者 赤石大輔 : 10:38 | コメント (0)

2012年03月06日

里山のいきもの写真展2012

3月4日、珠洲市飯田町にあるラポルトすずで、いきものマイスターの写真展「里山のいきもの写真展2012」を開催しました。写真展の様子を,いきものマイスターのスタッフ野村がお伝えします.

写真展は、能登の里山を伝えることを目的とし、いきものマイスター受講生とスタッフらが撮り貯めた写真を展示するものです。今回は2回目の開催となります。

尚、前年度の写真展については、こちらをご覧下さい。
2011年度いきものマイスター写真展:2011年3月27日

今年度の受講生(2期生)は、珠洲市や能登町など奥能登とされる地域、羽咋市や志賀町など口能登(能登の南部)とされる地域、更には能登ではありませんが石川県南部の白山市から来ています。

また、2011年に愛媛大学大学院の院生(当時)として水生昆虫研究の為に能登に滞在し、現在は岡山県真庭市にある、津黒いきものふれあいの里
のスタッフとして活動する渡部晃平氏にも来て貰いました。渡部氏は昨年度の写真展にも参加してくれた他、いきものマイスターが2011年度に作成した教材 「能登のいきもの大図鑑1:水辺の甲虫・カメムシ」の作成者でもあります。

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環境配慮型農業に興味を持つ受講生は、地域の田畑で見られたカエルを愛情豊かに撮影しました。白山市で自然紹介などを行う珠洲市出身の受講生は、キイトトンボやアオイトトンボなど珠洲市の里山で見られる生物の写真を熱心に撮影しました。白山で保全活動や地域活性化に参加する受講生は、白山の里山と地域の暮らしを撮影しました。白山の雪山、白山の里山に大挙して現れるニホンザルの群れなどは迫力豊かに、農作業の風景や地域のおばあちゃん達は暖かみのある写真となりました。能登町から来ている受講生は、身近に見られる鳥が漁港や冬の田畑で生活している様子を撮影しました。珠洲市在住の受講生は、野山や海を背景に家族を撮影し、自然豊かな能登の生活のほのぼのとした様子を見せてくれました。
今回は、2期生のみならず修了生も写真を提供してくれました。伝統漁法「たこすかし」による体験観光の案内をする大瀧氏は能登の海で遊ぶ楽しさを伝える写真を、家で猟師をしている修了生は自家採集した甘エビの写真などを美味しそうに、三井町に住むデザイナーは野山で見られた生き物をデザイナーらしくちょっとお洒落に、Iターン移住者は地域で評判となっている案山子の写真を提供してくれました。

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津黒いきものふれあいの里から来た渡部氏は、オシドリやハヤブサなど鳥の写真に加え、オオサンショウウオ(特別天然記念物)の貴重な写真まで提供してくれました。オオサンショウウオの写真を撮るには夜間に川を歩いて撮影ポイントへ行くことや、何時間も待たなくてはならない上、空振りになることも多かったことなどを渡部氏は話してくれました。図鑑やネットで何気なく見かける生き物の写真ですが、撮影に至るまでを撮影者自身から聞けるというのは、実に貴重です。渡部氏が撮影した写真ハガキを会場に持ち込みましたが、これも好評でした。

今回は更に、大型のプラズマテレビを設置して、里山の生き物写真のスライドショーを流しました。いずれも、その受講生が何に関心を持ち、どんな活動をして、何を伝えようとしているのかが一目でわかる写真ばかりです。

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会場では、NPOおらっちゃのスタッフと受講生がチャイやビスコッティ、フェアトレードのチョコレートなどを用意してくれました。会場内に用意した座席で寛ぎながら写真を見て貰うことも可能です。写真展当日には、大勢の地域の方に来場して頂きました。昨年もお越し頂いた方から「とても綺麗」とのお言葉も頂きました。こうした取り組みが能登の里山への理解に繋がれば、と願ってやみません。

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投稿者 赤石大輔 : 14:15 | コメント (0)

2012年03月03日

第189回へんざいもん

第189回 里山里海自然学校へんざいもん 平成24年2月25日 本日利用人数:26人
2012年2月25日御膳-1_R.jpg<<本日のメニュー>>
品 名
・ご飯
・かじめとあおさの粕汁
・若鶏の照り焼き
・けんちん
・おから
・人参の粕和え
・たくあんの贅沢煮
・酢の物
・大豆の五目煮
・漬け物


 本日は、長野大学に事務局を置く地域環境ネットワークの若手メンバー12人が、全国各地からここ自然学校に集結して、能登をはじめとした各地域の状況報告をもとに議論を行いました。この遠方から見えたお客さまのために、へんざいもんのお母さんたちが腕によりをかけて作った料理は、やさしく、おだやかな味付けで、心和むものでした。能登のお母さんの手料理はいかがでしたか?
 メーンディッシュの若鶏の照焼きは、柔らかく、鶏肉の味をうまく引き出すように薄味に仕上げてあり、カジメとあおさのかす汁はこの時期でしか味わえない能登の味です。古漬けのたくあんを一晩塩出しして醤油味で煮込んだ“たくあんの贅沢煮”は、アイデア料理ですよね。
 いずれもおいしく、また完食です。ごちそうさまでした。


今回のおすすめは「大根と人参の酢の物」です。

今月のお勧めレシピ,詳細はこちら →
のとの郷土料理百選

投稿者 赤石大輔 : 10:06 | コメント (0)