2012年03月06日
里山のいきもの写真展2012
3月4日、珠洲市飯田町にあるラポルトすずで、いきものマイスターの写真展「里山のいきもの写真展2012」を開催しました。写真展の様子を,いきものマイスターのスタッフ野村がお伝えします.
写真展は、能登の里山を伝えることを目的とし、いきものマイスター受講生とスタッフらが撮り貯めた写真を展示するものです。今回は2回目の開催となります。
尚、前年度の写真展については、こちらをご覧下さい。
2011年度いきものマイスター写真展:2011年3月27日
今年度の受講生(2期生)は、珠洲市や能登町など奥能登とされる地域、羽咋市や志賀町など口能登(能登の南部)とされる地域、更には能登ではありませんが石川県南部の白山市から来ています。
また、2011年に愛媛大学大学院の院生(当時)として水生昆虫研究の為に能登に滞在し、現在は岡山県真庭市にある、津黒いきものふれあいの里
のスタッフとして活動する渡部晃平氏にも来て貰いました。渡部氏は昨年度の写真展にも参加してくれた他、いきものマイスターが2011年度に作成した教材 「能登のいきもの大図鑑1:水辺の甲虫・カメムシ」の作成者でもあります。
環境配慮型農業に興味を持つ受講生は、地域の田畑で見られたカエルを愛情豊かに撮影しました。白山市で自然紹介などを行う珠洲市出身の受講生は、キイトトンボやアオイトトンボなど珠洲市の里山で見られる生物の写真を熱心に撮影しました。白山で保全活動や地域活性化に参加する受講生は、白山の里山と地域の暮らしを撮影しました。白山の雪山、白山の里山に大挙して現れるニホンザルの群れなどは迫力豊かに、農作業の風景や地域のおばあちゃん達は暖かみのある写真となりました。能登町から来ている受講生は、身近に見られる鳥が漁港や冬の田畑で生活している様子を撮影しました。珠洲市在住の受講生は、野山や海を背景に家族を撮影し、自然豊かな能登の生活のほのぼのとした様子を見せてくれました。
今回は、2期生のみならず修了生も写真を提供してくれました。伝統漁法「たこすかし」による体験観光の案内をする大瀧氏は能登の海で遊ぶ楽しさを伝える写真を、家で猟師をしている修了生は自家採集した甘エビの写真などを美味しそうに、三井町に住むデザイナーは野山で見られた生き物をデザイナーらしくちょっとお洒落に、Iターン移住者は地域で評判となっている案山子の写真を提供してくれました。
津黒いきものふれあいの里から来た渡部氏は、オシドリやハヤブサなど鳥の写真に加え、オオサンショウウオ(特別天然記念物)の貴重な写真まで提供してくれました。オオサンショウウオの写真を撮るには夜間に川を歩いて撮影ポイントへ行くことや、何時間も待たなくてはならない上、空振りになることも多かったことなどを渡部氏は話してくれました。図鑑やネットで何気なく見かける生き物の写真ですが、撮影に至るまでを撮影者自身から聞けるというのは、実に貴重です。渡部氏が撮影した写真ハガキを会場に持ち込みましたが、これも好評でした。
今回は更に、大型のプラズマテレビを設置して、里山の生き物写真のスライドショーを流しました。いずれも、その受講生が何に関心を持ち、どんな活動をして、何を伝えようとしているのかが一目でわかる写真ばかりです。
会場では、NPOおらっちゃのスタッフと受講生がチャイやビスコッティ、フェアトレードのチョコレートなどを用意してくれました。会場内に用意した座席で寛ぎながら写真を見て貰うことも可能です。写真展当日には、大勢の地域の方に来場して頂きました。昨年もお越し頂いた方から「とても綺麗」とのお言葉も頂きました。こうした取り組みが能登の里山への理解に繋がれば、と願ってやみません。
投稿者 赤石大輔 : 2012年03月06日 14:15