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2012年02月03日

石川の里山,冬もにぎにぎしく

寒い日が続いております.今年は暖冬で雪も少ないという予想は覆され日本全国大寒波.自宅はついに氷点下,水道の水も凍結しております.

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さて先日,名鉄エムザ8階の石田屋さんで,金沢出身の歌手,小杉奈緒さんのCD「ninigi」を購入しました.昨年8月に,白山市木滑で行われた「山笑い」というイベントで小杉さんの歌声を聞いてから,すっかりファンになってしまいました.里山の中で聞く彼女の歌声,童謡赤とんぼ,七つの子など,風景とマッチして素晴らしかったです.唄ってすごいなあと改めて思いました.

小杉さんやCDについての紹介はこちら →  株式会社 G-VOICE

山中漆器の作家さんが書かれた紹介文も熱いです →  うるしのうつわ うたかたの日々の泡

CDのタイトルは「ninig」,ニニギ(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎ)は、日本神話に登場する神である.名前の「アメニギシクニニギシ」(天にぎし国にぎし)は「天地が豊かに賑う」の意,とwikipediaにあります.
生き物があふれにぎやかな様子,まさに生物多様性のことではないかと思いました.生物多様性という固い言葉が作られるずっと昔から日本人はそれを示す言葉と,司る神さまを持っていたのですね.良い国ですね.

我が国の第三次生物多様性国家戦略(平成19年決定)では、「人と自然とのより良いバランスが確保され、人と自然が共生することを通して恵み豊かな生物多様性をはぐくむ

「いきものにぎわいの国づくり」

を目指して、生物多様性の保全とその構成要素の持続可能な利用を進めるための政府としての計画です。」と紹介しています.いきものにぎわいの国づくり,これこそがこれからの私たちに求められている方針であると,私は確信しています.

一方で戦略の中に,「その達成のためには、それぞれの地域での地に足のついた活動がなにより重要であり、地方公共団体や民間企業をはじめとするさまざまな主体や多くの国民による協働が必要です。この国家戦略が示す大きな方針のもと、老いも若きも、そして男性・女性を問わずひとりひとりが行動することで、いのちにぎわう豊かな日本の未来を拓いていかなければなりません。」と課題をあげています.それに呼応するように全国各地で,そして石川県内でも加賀から能登まで,さまざまな取り組みが今始まっています.

ninigiに収録された6曲のうち,私のお気に入りの唄は,一曲目の

「歓喜の歌」
 作詞 小杉奈緒 作曲 佐野 観

です.歌詞に心をつかまれます.

”木々は窮屈そうに枝を下ろし花は首傾げ咲く 忘れられた空はいつも見てた"
”森は靄の中で肩を落とし風は傷隠し吹く 忘れられた空はいつも見てた”

人が目を向けなくなり,荒れていく里山を思い浮かべました.忘れられた空とは,自然の中に日本人が観てきたカミ(神)の声なのかもしれません.人々はやがてそれに気付き,自然がまた輝きを取り戻す.という歌になっています.CDのタイトルを表現する素晴らしい曲だと思いました.ぜひ皆さんにもお聞きいただきたいと思います.

さて,寒い日が続きますが石川県の里山は2月も熱いですよ.能登では,活動拠点の能登学舎で,25日に地域環境学ネットワークのフィールド研究会,26日には輪島市三井でまるやま組のアエノコトがあります.

一方,加賀では,2月19日は冒頭で紹介した,白山市木滑で冬の「山笑い」が開催されます.
若者と地域の人々が作るこの里山のイベントは,寒い冬でも暖かさにあふれています.18日は地域のお家に泊めていただくホームステイもあるそうです.

詳細はこちら →  木滑HP

冬の里山で,ににぎ,感じてみましょう.

投稿者 赤石大輔 : 2012年02月03日 20:17

この記事へのコメント

まさに、赤石さんのような人材が求められているのだと思います。がんばってください!

投稿者 林直樹 : 2012年02月06日 04:15

林さん
ありがとうございます.これからの地域を考える上で,林さんの提供してくださる情報はいつも勉強になります.これからもよろしくお願いします.

投稿者 akaishi : 2012年02月07日 08:27