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2010年12月28日

第143・144回へんざいもん

第143回 里山里海自然学校へんざいもん 平成22年12月11日 本日利用人数:26人
へんざいもん101211.jpg<<本日のメニュー>>
品 名
・ご飯
・味噌汁
・サバの竜田揚げ
・酢の物
・けんちん
・かつお菜のおひたし
・煮豆
・インゲンのゴマ和え
・サツマイモの茎の煮物
・漬物・大根のニシン漬け
・おはぎ(デザート)


「今日はおいしいデザートがあるよ~」とへんざいもんのスタッフさん。
本日は能登大納言小豆を使った“おはぎ”がでました。作りたての“おはぎ”はやわらかくふっくらしていて格別でした。小豆もすごくたくさんのっていたのですが、甘さ控えめでさっぱりといただけました。ごちそうさまでした。

第144回 里山里海自然学校へんざいもん 平成22年12月18日 本日利用人数:20人
へんざいもん101218.jpg

<<本日のメニュー>>

品 名
・カレーライス
・サラダ
・竹の子と昆布の煮物

本日は今年最後の「へんざいもん」でした。今年もいろいろな地元料理をいただきました。遠方からのお客様もたくさんいらっしゃいましたし、地元に住んでいても、知らない料理がまだまだたくさんあって驚きです。来年は1月8日から営業します。ぜひ一度「へんざいもん」料理を食べにいらしてください。(要予約)


今回のおすすめは「お雑煮」です。

今月のお勧めレシピ,詳細はこちら →
のとの郷土料理百選


投稿者 赤石大輔 : 11:08 | コメント (0)

2010年12月13日

あえのこと

12月12日

輪島市三井では,毎月1回植物観察会を実施しています.輪島市ビオトープ研究会という組織が,2003年ごろからここで活動をしていて,休耕田で水生生物の保全など二取り組んでいますが,なかなかメンバーが集まらず,最近は,活動が停滞気味でした.

東京からこの三井へ,引っ越してきたHさんやTさんがビオトープ研究会に参加し,地元の方々や周辺のお友達を呼んで植物観察会を始めました.ここには円山という古墳のような小さい山があって,その周辺で活動しているので,グループ名も「まるやま組」という名前になりました.環境省のモニタリングサイト1000にも登録しています.講師は,里山マイスター養成講座の伊藤浩二博士が勤めています.

昨年の4月から今年の12月までの調査では,四季を通じて見られる植物が,250種ほどになりました.毎回,調査にはいろいろな方が参加され里山の風景や植物調べを楽しんでいます.今回は,今年最後の調査ということもあり,田の神様,そしてビオトープの神様に一年の感謝を込めて「あえのこと」を行いました.
あえのことは,能登で古くから行われてきた行事で,田の神様を自宅にお招きし,一年の無事と豊作の感謝を示す神事です.
詳しくはこちら →  あえのこと

今回あえのことを行うのは,脱サラして輪島で自然農法の米作りを始められた新井さんです.新井さんについてはこちら →  新井さんの田んぼホームページ

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新井さんの田んぼにサカキを突き刺し,田の神様の依り代とします.
また,「マツと来る」ということで,マツと栗の枝をさしておくそうです.今回は,マツと栗の葉を紙で包んだポータブル依り代をみんなで持ちました.この依り代の紙の内側には,調査で確認された植物名が列記してあります.なかなか面白いアイディアですね.

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神様を依り代にお呼びしたら,今度は家までお運びします.本来は家までおんぶしていったようですが,今回は軽トラに乗ってもらいました.シートベルトもしっかりしめました.Hさんのお宅で田の神様にご馳走を振る舞います.

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家ではまずお風呂に入っていただきます.丁寧に,「こちらの蛇口はお湯,こちらは水が出ます」と神様にお伝えします.部屋では上座に座布団を敷き,御膳の準備です.田の神様は目が不自由なので,手を引くように、家の中に案内していきます.家の人がご馳走について一つ一つ解説し,ご馳走を食べていただきます.

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このように、能登では田の神様を接待する神事が稲作の伝来とともに行われるようになり今日まで伝わったと言われています.里山と人の共存を持続させるための手段なのかもしれません.

金沢大学では,このような地域の自発的な活動を支援するプロジェクトをいくつも展開しています.まるやま組では,植物の専門家が参加し,地域の方々と水田や里山林の植物の調査や保全活動を行っています.里山保全の担い手となる地域リーダーの養成や,学生や都市部の若手を能登へよび,地域活動に参加してもらう企画も行っています.いろいろな人々が繋がって能登の里山里海を再評価して,将来の私たちの生き方を学ぶ,というスケールの大きな教育活動と位置づけています.

まるやま組の活動は,来年春からまた再開します.どなたでもご参加いただけますので是非一度,ご参加下さい.

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今回の活動は,こちらにも紹介されています。 → まるやま組

雑誌「pippuri」

投稿者 赤石大輔 : 18:40 | コメント (0)

2010年12月07日

「ミツバチの羽音と地球の回転」上映会

12月5日

珠洲市のわくわく広場で映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映会がありました.会場には飯田の「灯籠山祭り」の展示物が常設されていて,とても華やかな感じです.
主催者は,私の友人で珠洲へUターンで戻られた女性の方です.映画館のない珠洲で,みんなが楽しめる映画会を開きたいという思いで,この企画をされたそうです.
ちなみに映画会の開催費用は,今年石川県に初めてできたNPOバンク「ピースバンクいしかわ」から融資を受けたそうです.ピースバンクいしかわは,地域づくりに貢献する団体や個人に低金利でお金を貸す銀行です.わたしたちNPOおらっちゃでも一度融資を考えたことがありました.

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さて,この映画上映に関して,地域では不安も含めすこし話題になりました.不安というのは,この映画が,原子力発電所の建設と地域住民の反対活動が描かれているからです.主催者は映画のタイトルからミツバチの話だと思ったといっていた相です.私もタイトルを聞いたときそう思っていました.

いま私が住む珠洲市は,かつて原発建設の是非をめぐり地域が二分されるという歴史が有りました.2003年の12月5日(たまたま,この映画の上映日と一緒でした) に,建設事業の凍結となりましたが,28年間もこの問題で地域が揺れていたという背景があります.ここであえて,原発の映画を上映するのはいかがなものか,そんな疑問が投げ掛けられていました.私も上映会当日,映画を見るまで,そのように思っていました.

この日は,朝昼晩の3回上映のスケジュールで、私は朝と昼の部にお邪魔しました.会場は地元の方,金沢からお越しの方など30人ほどで,お菓子や軽食なども出てとてもアットホームな感じでした.里山マイスターの受講生の方達も駆けつけてくれていました.

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私の個人的な,映画の感想を簡単に述べます.
まず,映画として面白かったです.重苦しい雰囲気になるパートもありますが,ラストはとてもすがすがしく感じました.音楽もとても良かったです.

この映画は,原発反対の映画ですが,単に推進派と反対派の対立を描いたものではなく,私たちのこれからの生き方に,新しい方向性を示してくれている映画です.スウェーデンの電力自由化の話,日本国内の風力など再生可能エネルギーに向けた草の根的取り組みが紹介されています.そして日本には今,「もう一つの道」を選択することが,非常に難しい状況だ,ということを教えてくれます.

私はこの映画の中でも紹介されてる生物多様性について,解説して欲しいといわれ映画の後のトークセッションに参加させていただきました.この映画では原発建設予定地の海辺がカサシャミセンやナメクジウオなど貴重な生物の生息地であるということが紹介されていました.確かにこれら希少な生物の生息地を守るということは重要です.しかし,この映画を見ている方にとっても,おそらく地元の方にとっても生物多様性とは,映画の冒頭で出てくるヒジキや一本釣りでとれたタイ,ビワの実,豚など身近に感じられるものだろうと思います.会場でも一番笑いが漏れて印象に残った部分は,豚が荒れた畑で育っているシーンと,人間の子供が遊んでいるシーンでした.

ですので私からは,生物多様性というのは,生き物の多様性であり,生き物の繋がりの多様性のことだが,私たちの身近にあり,私たちはその生物多様性によって生きていられるのだということをすこしだけ解説しました.そして能登の場合ではどうか.生物多様性という言葉だけで能登が良くなるのか.私たちNPOが能登でどんな取り組みをしているのかという紹介もさせていただきました.

映画が終わって,会場からはいろいろな意見が出ました.
「推進派の人たちの気持ちを考えると,原発がなくなって良かったとも言いにくい」
心から,地域を大切に思う方の言葉だと思います.しかし,珠洲でこのような映画が上映できて本当に良かった.というのが多くの方の感想でした.また面白い映画会が珠洲で開催されることを期待しています.

当日の様子は,こちらにも報告されています.

北野進さんのブログいま珠洲がおもしろい

投稿者 赤石大輔 : 11:32 | コメント (3)