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2010年02月13日

NPOグリーンウェーブ

NPO法人グリーンウェーブさんのホームページに,「能登里山保全活動プロジェクト」が紹介されています.

グリーンウェーブさんのホームページこちら → 能登里山保全活動

NPO法人グリーンウェーブは活動目的の中に,

木のないところには木を<植林・植樹>
木を守らなければいけない所には手入れを<森林整備>

という理念が紹介されています.都市の公園緑地をメインに植林活動を推進している一方で,里山の保全にも取り組まれています.
以前も紹介しましたが,ご縁あって昨年から,グリーンウェーブさんと私たちNPOおらっちゃが協働で,能登の荒廃した里山にクヌギを植える植林活動を行っています.

記事はこちら → クヌギの植林


グリーンウェーブさんのホームページでは,このプロジェクトの内容が紹介されています.主な活動として,

1.耕作放棄地の有効利用と保全(森づくり運動)
2.荒廃山林の適正管理も出るの創出(里山保全活動)
3.里山文化の復元継承と里山産業の連携
4.能登半島里山里海文化の情報発信.

とあります.

私たち能登に住むものと,東京など都市に住む方々が,植林を通じて交流できる場を創出していきたいと思います.能登固有の文化と,生物多様性を紹介していき,皆でそれを守っていくネットワークを作っていければと思います.

クヌギの植林は,どんな意味があるのか,少し紹介したいと思います.
たとえば,
1.植林した木が育つことで,大気の二酸化炭素を木が吸収してくれます.育った木を燃料として利用することで,その分の化石燃料の減少が期待できます.
2.クヌギ林には山菜などたくさんの植物,カブトムシなどの昆虫,ドングリを食べるトリやネズミ,地面からはキノコも発生します.このように多様な生物を維持する環境を保全することにもつながります.
3.クヌギは,マキにも炭にも最適な優秀な木材です.特に炭は,茶道に使われるお茶炭として利用されています.クヌギは成長が早く,8−10年ほどで伐採して利用することができ,伐採後も新たに萌芽更新により成長してまた次に使うことができる,再生可能な資源です.
4.広葉樹が作る土壌,そこから流れる栄養豊富な水は海に注がれ,海の生き物を育むと言われています.

このように,植林によって私たちは里山からさまざまな恩恵を受けることができます.
ぜひ多くの方にこのことを知っていただきたいと思いますし,大学と連携して今後も里山保全による生物多様性への貢献度を研究していきたいと思います.

春には一度ご挨拶に伺い,秋には東京から皆さんをお招きして植林や祭りを体験していただければと思います.
以前植林したクヌギ林から,ふきのとうが出ていました.春の予感です.

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投稿者 赤石大輔 : 2010年02月13日 11:31

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