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2009年08月04日

エコ・スタジアム2009


8月1日から,自然学校は第2期を迎え新たなスタートを切ることとなりました.
よろしくお願いいたします.

さて,8月1日,2日は「能登エコ・スタジアム」という大きなイベントが開催されていました.主催は能登半島エコ・スタジアム推進協議会、石川県、金沢大学で,自然学校や里山マイスターも協力しています.

8月1-3日の間,飯田高校の生徒さんがインターン研修にこられていて,エコスタジアムのお手伝いをしてもらいました.自然学校は里山里海に関する新しい情報を発信することが大きな使命です.そこで,インターンとして,エコ・スタジアムの報告を書いてもらいましたので,ここに上げたいと思います.
H君,お疲れ様でした.

<<能登エコ・スタジアム2009に参加して>>

飯田高等学校2年H

 平成21年8月1日(土)にアジア太平洋環境開発フォーラム開催記念「環境国際シンポジウムin能登」が能登演劇堂(七尾市中島町)で13:00~17:00の間、開かれました。
 主催は 石川県、七尾市、(財)地球環境戦略研究機関、金沢大学、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティングユニット。後援には環境省、外務省。連携協力は 生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会でした。 
 このシンポジウムは、”アジア太平洋地域における生物多様性といのち響く美しい自然「里山里海」”というテーマで開催されました。 
 アジア太平洋地域における生物多様性と里山里海について学び、国際的な環境問題に果たす里山里海の素晴らしさや大切さの再発見とともに、将来の里山里海のあり方について探るというような、いろいろな方の講演を聞きました。
 初めのオープニングでは輪島・和太鼓 虎之助さんたちが太鼓の演奏をしてくれました。さまざまな大きさの太鼓の演奏の音色が会場に響き渡って迫力がありました。
 次にイントロダクション映像「生物多様性と里山里海」が流れました。その次には挨拶があり、開会挨拶として、 石川県知事谷本正憲氏、七尾市長武本文平氏、金沢大学長 中村信一氏、来賓挨拶として環境省地球環境審議官竹本和彦氏がごあいさつくださいました。
 谷本知事は、『里山里海は、人と自然の共生による生物多様性の保全のための、世界に発信し得る貴重な財産であり、未来に継承していくことが、私たちの世代における責務であると考えています。里山里海の利用・保全には、県民・市民の皆さんが、その価値や大切さを認識していくことが欠かせない』と語ってくださいました。
 その後、橋本龍太郎APFED受賞与式がありました。
そして、シンポジウムの本格的な内容に入って行きました。インド・エネルギー資源研究所TERI所長、気候変動に関する政府間パネルIPCC議長特別講師ラジェンドラ・パチャウリ氏による「気候変動と生物多様性」では、残念ながら、本人は来日できませんでしたが、テープによるスピーチを聞きました。初めて英語で聞いたスピーチであったので、少し緊張してしまい、翻訳機を借りていたのにもかかわらず、あまり内容を理解することができませんでしたが、やはり世界の環境問題の深刻さが分かりました。
 その次には、スペシャル・トーク・セッション ~子どもたちに残していきたい自然環境について語ります~ があり、ゲストとして参議院議員、APFED議長川口順子氏、女優 若村麻由美氏、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット所長 あん・まくどなるど氏 から自分の体験を基にして、お話をしていただき、自然環境について、それぞれ『自然にふれること』『子どもの時にどういう体験をするかということ そのために長いスタンスで見守るということ』『大人になっても子どもの心を失わないこと』が大切であると語ってくださいました。

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 その次は、パネルディスカッション「地域コミュニティと生物多様性~日本の里山里海を例に」が始まり、コーディネーターには 東京農業大学教授進土五十八氏、パネリストにはインドネシア大統領特別公使エミル・サリム氏、環境省大臣官房審議官渡邉綱雄氏、 大野製炭工場代表大野長一朗氏、写真家中乃波木氏、ハチの干潟調査隊代表岡田和樹 氏、 金沢大学教授中村浩二氏、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット所長 あん・まくどなるど氏 の皆さんが、国際的な視点からのスピーチや事例紹介を基にした議論を通じて、人の暮らしにおける生物多様性の大切さや里山里海の素晴らしさをメッセージとして発信するとともに、将来の里山里海のあり方や今後の取組の可能性を探る、というような討論をしてくださいました。
 この討論の中で1番印象的だった言葉は、エミル・サリム氏の『人間の頭脳は自然を守るためにある』という言葉でした。この言葉を聞いて、人間一人ひとりのすることが大切であると深く感じました。
 最後に閉会挨拶では財団法人地球環境戦略研究機関理事長浜中裕徳氏が挨拶をしてくださいました。
 シンポジウムが終わった後は17:10に「キャッスル真名井」、「のとふれあい文化センター」に行き、キャッスル真名井で夕食をとりました。
 20:00からは、2つのコースに分かれて、夜の能登を楽しみました。
 夕涼みAコースでは七尾・石崎奉燈祭をバス見学しました。
 夕涼みBコースではキャッスル真名井内の施設内で夏の星空観察会の代わりに郷土史家、穴水星の会の坂下たまき氏による天文学者パーシバル・ローエルと穴水の関係についてのお話を聞きました。
 有名な天文学者、米国人パーシバル・ローエルは1889年(明治22年)東京に滞在中、ふと思い立った能登旅行の折り返し地として穴水を訪れ、後に記した本「NOTO」で、和倉からの船上で見つけた「ボラ待ちやぐら」に驚き、「創世記に出てくるノアの洪水以前の掘っ立て小屋」と書き、穴水からの帰りに「ボラ待ちやぐら」に登り、「ここは、フランスの小説でも読んでおればいい場所」と書いたそうです。
 パーシバル・ローエルという天文学者の名前も、そのようなお話も始めて聞きましたが、そのパーシバル・ローエルさんのとったその当時の様子が写った写真などを見せていただいて、始めて見る昔の写真にその人に興味を持ちました。

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 8月2日(日)には能登半島での、2つのコースに分かれての七尾湾の生業と生物多様性を学ぶ目的で8:00からエクスカーションがありました。
 1つは、船による七尾湾・能登島周遊コースで、その講師はのと海洋ふれあいセンターの 坂井 恵一さん、能登島ダイビングリゾートの鎌村実さんでした。
 もう一つは、バスによるツインブリッジから能登島周遊コースで、講師は石川県水産総合センター能登島事業所の永田房雄さんで、能登島とその周りの七尾湾について教えていただきました。
 能登島は、南にある「能登島大橋」と、西にある「中能登農道橋(ツインブリッジのと)」の2本の橋でつながっていて、富山湾に面する東方以外の三方の海は、それぞれ七尾北湾、七尾西湾、七尾南湾と呼ばれているそうです。また、北湾内に野生のイルカを見ることができました。いろいろな方向からの七尾湾を見て、能登の海の美しさを感じ、海をきれいに保ちたいと強く感じました。
 10:00には「七尾・能登食祭市場」で船とバスが合流し、そこで海の新鮮な食材をたくさん見て、能登にもこんなに自然の恵みがあるのだと感じました。

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 11:30~12:50 は珠洲市飯田町地内で、各自自由に昼食をとりました。能登丼を予約して、食べに行く人がたくさんいて、能登の味を知ってもらって良かったと思いました。
 午後は奥能登の田んぼと生物多様性から学ぶという目的で13:00から珠洲市野々江町にある環境配慮の耕作田を最初に見学をしました。講師は 金沢大学の伊藤浩二さんでした。
 野々江地区内には農法の異なる田んぼ「移植栽培」と「直播栽培」、「特別栽培米」と「慣行栽培」があり、農家のかたがたがお米を作りやすくて、かつ生き物が暮らしやすい田んぼにするにはどのような工夫をすれば良いか調べているそうです。また、他にも能登の里山の希少な水生昆虫(大型ゲンゴロウ類)が農村環境とゲンゴロウの関係を明らかにするための生態解明や大型鳥類(サギ類)がどのような場所で生活しているのかを明らかにするための生息分布調査などをしているそうです。
 13:40には、金沢大学能登学舎でのレクチャーがあり、『里の生業と生物多様性』講師は 愛媛大学の日鷹一雅さんでした。
農学と生態学の総合的学問分野の立場から、在地の農生物多様性の再生や管理についてお話してくれました。生物{多様性}と里の{生業}がうまくいくためには、”技能・技術”が重要であるということが分かりました。

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 この能登エコ・スタジアムに参加させていただいて、社会のことをいろいろと勉強することができ、能登の自然の素晴らしさを新ためて感じることができました。そして、多くの方々のお話を聞いて、里山里海の自然を守るためには、一人ひとりのこれからの心がけが重要だと分かりました。また、自分のできることをいっしょうけんめいすることが大切ということも分かりました。このような貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。

投稿者 赤石大輔 : 2009年08月04日 10:34

この記事へのコメント

自然学校、第2期も応援しています!お互いがんばりましょう!

投稿者 林直樹 : 2009年08月04日 18:32

林直樹様

ありがとうございます.また能登のこれからについて議論したいと思います.よろしくお願いいたします.

投稿者 akaishi : 2009年08月05日 16:42