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2009年06月27日

キノコ調査

6月26日

今年度から,保全林にてキノコ調査を行うことになりました.
毎月1回里山メイトを中心としたメンバーで,保全林にはいってキノコ採集を行います.第一回目のこの日は6名で調査を行いました.

今回は,6月の調査を行いました.6月にもキノコはたくさん出ます.
私の調査から,石川県は6,7月と9,10月にキノコの発生ピークがあり,とくに里山林では6,7月にはテングタケ,ベニタケ,イグチなどのキノコが多数発生します.

今年は空梅雨で,お天気続きで巣がしやすいのですが,キノコにとっては余りよい条件ではありません.キノコを見ることが出来るか,当日まで心配していました.

調査地である保全林の地面も乾いています.みんなに集まってもらってキノコゼロだったら申し訳ないなーと思っていましたが,ありました!

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ヒトヨタケ,ベニヒガサ,チャハリタケ,クサウラベニタケ,そしてアミタケ!
シバタケとこちらで呼んでいる,アミタケが結構出ていました.梅雨の時期にアミタケが出ることは一部の方にしられていましたが,保全林でも見ることが出来ました.これは今年の秋は期待できそうです.

来月もキノコ調査を予定しています.
天気によりますが,条件が良ければ7月11日に行いたいと思います.調査者が多いほど,キノコもたくさん見つかります.7月には,ポルチーニの仲間「ヤマドリタケモドキ」を期待しています.
皆さんぜひ調査にご参加ください.

投稿者 赤石大輔 : 17:40 | コメント (0)

2009年06月23日

カンゾウタケ 

カンゾウタケFistulina hepatica Schaeff.:Fr.
名前の通り,鮮やかな赤紫色をした肝臓のような見た目のキノコ,切ると赤い汁がしたたり,断面も霜降り上でお肉のようです.
アメリカなどではビーフステーキキノコ(Beefsteak Fungus)、フランスでは「牛の舌」(Langue de boeuf)と呼ばれているそうです.

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須須神社のスダジイの老木から発生していました.珠洲神社の周辺は,神聖な場所として昔から木が切られることが無く,原生植生が残る貴重な森が広がっています.樹齢800年のスダジイなど,老木から発生する,深い森に依存したキノコといえるでしょう.里山のキノコとは対照的ですね.

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裏側は肌色をしており,そこに小さな穴が空いています.もっとよく見てみると,面に穴が多数空いているのではなく,細い管が集まっていることがわかります.マカロニを束にしたような状態を想像してもらえるといいです.
こんな形状をしたキノコはめずらしく,カンゾウタケは独立した科で,国内では1属1種のみ記載されています.もっと寄って撮れば良かった.


食べられます.しかも生で食べることができ,酸っぱい味がサラダなどに合うそうです.ソテーなどもあい,欧米ではとても喜ばれるきのこだそうです.

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しかし,須須神社は,国の天然記念物に指定されており,ここでは動植物の採集が一切禁止されていますので,採って食べてはいけません.

投稿者 赤石大輔 : 20:34 | コメント (0)

2009年06月20日

マツオウジ

マツオウジ Lentinus lepideus

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初夏に,松の倒木や切り株から大きなこのマツオウジを見つけることがあります.
この時期キノコがまり無いことと,とても大きなキノコなので見つけると嬉しいものです.以前自然学校に何度か持ち込まれたことがあります.
写真の物は,ずいぶん小さかったですが,おそらく古いきり株でキノコを作る栄養が足りなかったのだと思います.

こちらは,昨年小学生と一緒に須須神社で観察会をしたときのマツオウジで,とても大きかったです.

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このキノコは食べられますが,人によっては中毒(嘔吐や下痢)を起こすとされているため,注意が必要です.私もまだ食べたことはありません.
しかしマツの香りのする美味しいキノコとして栽培の計画もあったようなので,試してみる価値はあるようです.

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北陸のきのこ図鑑によれば,Lentinus lepideus は2種を含むことが発表され,つばのある物をツバマツオウジ(仮)とし,この学名を当てています.普通のマツオウジにはLentinus sp.(lentinus属の一種)と表記されており,今後新たな学名がつくかもしれません.

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投稿者 赤石大輔 : 16:22 | コメント (0)

2009年06月17日

ワークショップ終了

6月13日

能登半島・里山里海自然学校ワークショップを開催しました.
タイトルは「能登半島・里山里海自然学校」の3年間は地域を変えたか?〜大学の地域貢献とは〜」にしました.
2006年10月の,自然学校設立から今日までの取り組みを紹介すると共に,今後の自然学校についても,皆さんで協議しました.

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金沢大学が奥能登で展開している事業は,多岐にわたります.
能登半島・里山里海自然学校の他に,代表的な物で,

能登里山マイスター養成プログラム

能登大気観測スーパーサイト

七尾湾里海創生プロジェクト

能登復興支援サイト

大友ゼミ地域野菜ブランディング

ビジネスクリエイト道場

地域経済塾奥能登教室

等があります.
このどの事業も,スタッフが全力で取り組んでいますが,期間の決まっている物もあり,終わっていく事業もあります.

里山里海自然学校は,はじめに能登にはいり,3年間でひとまずの区切りを付けるところまで来ました.これまでの3年間を振り返るといろいろなことをやってきましたが,まだまだ足らないところも多いです.
というか,どれも中途半端に広げているが,一つとして形になっていないという厳しい見方も出来ます.

しかし,現在も様々な方々に支えられて,活動は停まっていません.事業に対する国や地域からの支援をいただいており,これからもそれは続く予定です.

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これまで3年間の区切りで活動してきました.この次も,これからの3年間で何が出来るかという目標を持ち,能登の里山里海再生にむけた具体的な事業を展開してきたいと考えています.

里山里海自然学校は,第2のステージに進んでいきます.

投稿者 赤石大輔 : 15:24 | コメント (0)

2009年06月12日

ワークショップ開催のお知らせ

ワークショップ開催のお知らせをいたします.

6月13日午後1時より,能登半島・里山里海自然学校のワークショップを開催いたします.
本年6月末日をもって「能登半島・里山里海自然学校」は,三井物産環境基金のご支援による3年間の活動を完了しいたします.これを記念し,地域の皆さまにこれまでの取り組み成果を報告し,今後の活動について討議するためのワークショップを開催いたします.

直前になって申し訳ありません.
ご多忙のところ恐縮ですが,土曜日お休みの方,ぜひぜひご参加下さい.

開催日時:平成21年6月13日(土曜日)午後1時〜午後3時30分
場所:能登半島里山里海自然学校 体育館

<<次第>>

1.開 会 挨 拶 運営委員長  中村 浩二

2.報  告 
1)里山里海自然学校の活動報告: 赤石 大輔
2)今後の運営について: 中村 浩二

3.意見交換

4.閉  会

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(漁り火がきれいだったので灯台と一緒にとって見ました.赤いのは月です.RICOH GRD2, F2.4, 30秒).

投稿者 赤石大輔 : 14:58 | コメント (0)

第65回~68回へんざいもん

第65回 里山里海食堂 へんざいもん 平成21年5月23日 本日利用人数:33人 
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<<本日のメニュー>>

・ご飯
・みそ汁
・アジの香味フライ
・うどん
・きゃらぶきとこんにゃくの炒りつけ
・エンドウとニンジンの粕和え
・アゴなます

今日の感想
本日のメイン「アジの香味フライ」はとにかくものすごいボリュームでした。大きくて厚みもあり、中には梅干しがはさんであって、シソで巻いてありました。これが2枚もあって「本当に700円でいいの?」と思いながら頂きました。お客さまの中に「新鮮だからとてもおいしい。ここまで来て食べる価値はあるね。」という声があって嬉しくなりました。アゴなますの中にネギのような野菜が入っていてスタッフの方に聞くと「タマネギの葉」だということでした。とうのあがったタマネギは早めに葉をとってネギの代わりに使ったりするそうです。地元で採れたものを使っているだけでなく、その食材を無駄なく使いきっていることがとても素晴らしいことだなあと感じました。

第66回 里山里海食堂 へんざいもん 平成21年5月28日 本日利用人数:33人
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<<本日のメニュー>>

・ご飯
・すりわり汁
・アジと大葉の天ぷら
・納豆の包み揚げ
・木の芽味噌の田楽
・ポテトサラダ
・カタハの酢の物
・ニンジンとエンドウの粕和え
・タケノコとワカメの煮物


                                                                                                                            第67回 里山里海食堂 へんざいもん 平成21年5月30日 本日利用人数:16人
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<<本日のメニュー>>

・ご飯
・すりわり汁
・肉じゃが
・ポテトサラダ
・玉子焼き
・ワラビの煮物
・破竹のゴマ和え
・キャベツとちくわの酢味噌和え


第68回 里山里海食堂 へんざいもん 平成21年6月6日 本日利用人数:50人
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<<本日のメニュー>>

・ご飯
・つみれ汁
・イカ飯
・揚げ出し豆腐
・キャベツとニンジンのカレー風味炒め
・フキとシイタケの煮物
・きんぴら
・酢の物


今日の感想
本日のつみれ汁には、先週につづいて「ミョウガの親」がはなしてありました。私は大好きなので先週も単純に「嬉しいな~」と思って食べていたのですが、今が時期なんですよね。今ではお店に行くと時期に関係なく野菜がならんでいて、私はその野菜の「旬」がいまいち分らなかったりします。しかし、ここ「へんざいもん」では、旬の物を使ったメニューが頂けるので、その都度その都度「旬」を感じながら頂きたいと思いました。

投稿者 赤石大輔 : 12:40 | コメント (0)

2009年06月10日

マグロ

6月9日

忙しい.13日にワークショップを開催するため,準備に追われています.

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そんな忙しいさなかに,マグロがやってきました.
我らが能登学舎のスタッフで,もっとも人徳の高い伊藤研究員が,近所の方からお裾分けでいただいてきたそうです.先日珠洲でマグロが上がったとのニュースがありましたが,その一部でしょうか.身の部分に大きな傷があり,商品にならなかった物だそうです.

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この忙しいときに,マグロ.
「よし!」俄然やる気が出ました!現実逃避です!

早速,家から愛刀「孫光」を持ち込み,調理場で解体ショーの始まりです.小さいといっても,アジやフクラギなど目ではありません.最高級魚の風格ばっちりの「マグロ様」です.

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webで探したマグロ解体マニュアルを片手に,内臓を取り出し,3枚におろし,さらに身を半分,血合いの部分を取って,サクにしていきます.しかし初めての作業で,なかなかうまくいきません.ああ,マグロ様の美味しい赤身が,トロが,崩れていきます.ごめんなさいごめんなさいごめんなさい.

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なんとか切り身にすることが出来ました.
ずいぶん小さくなっちゃったなあ.
試しに一口.

「うーん,マグロ!おいちい.」

お刺身と,それからフライパンで焼いてマグロのステーキを晩ご飯でいただきました.
思いがけず,海の幸を堪能しました.里海万歳!

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投稿者 赤石大輔 : 00:23 | コメント (0)

2009年06月05日

ヒツジグサ

この時期ため池に美しい花を咲かせるスイレンの仲間,ヒツジグサ.
日本に自生するスイレンはこの種1種のみで,他は園芸用に持ち込んだものです.

未の刻(午後2時頃)に咲くためにこのような名前が付けられたようですが,実際は朝から晩まで咲いているようです(参考 → wikipedia).

今回は,新しいカメラを購入したので,試みに撮影してみました.
きれいですね.

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新しいカメラは,一眼レフのデジカメで,液晶がぱかぱか動くやつです.

液晶がぱかぱか動くやつだと,ローアングルからの面白い写真が撮れます.
この写真は,池のわきではいつくばって,さらに腕を伸ばしカメラを水面すれすれまで持って行って,液晶を見ながら撮影しました.

水面花の撮影も素敵ですが,今回このカメラを買った大きな理由は,地面から生えているキノコをローアングルで撮影したいからです.キノコのヒダの部分がきれいで,キノコの特徴も良く表すために,いつも下から撮りたくなります.とても良いカメラを手に入れたので,これからいろいろなキノコの写真をアップしていきたいと思います.

投稿者 赤石大輔 : 18:48 | コメント (2)

2009年06月01日

佐渡視察

5月30日〜31日

佐渡にいって参りました.
航路はなんと,珠洲市の飯田港から佐渡の小木港!
力屋観光汽船さんの高速船「あかしあ」にのって2時間半の船旅です.
今回は,自然学校のメイト,NPOメンバー,里山マイスター関係者など,40名が参加しました.

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佐渡と能登はどちらも島で,能登が本州にくっついて半島になったと聞いています.双子のような存在の佐渡と能登,そのどちらもトキが最後まで住んでいた地であり,今もその復活を目指す地域になったことはとても面白いと思います.

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さて,佐渡での視察目的はやはりトキの再生に向けた先進的な地域活動です.
初日は,道の駅によって,トキをはぐくむお米の販売を視察しました.
佐渡市がトキをはぐくむ農業として認定しているお米,その名も,「朱鷺と暮らす郷」
袋の横には,
「朱鷺と暮らす郷米は,佐渡のめぐまれた環境のもと,生きものを育む自然にやさしい農法でトキと一緒にすこやかに育ったお米です.」
とあります.はたしてどのような農法でお米作りがされているのでしょうか.

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ということで翌日は,朱鷺と暮らす郷米を作っている田んぼに伺って見学をしました.この日は, NPO法人生物多様性農業支援センターによる,田んぼの生き物調査が開かれており,たくさんの農家さんが生物調査の講習を受講されていました.

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特別な農法で作られているというお米,その田んぼは,大きなほ場で,ポンプアップして水を回し,暗渠により排水も効率のよい,近代的な田んぼでした.能登にもこのような最新の田んぼはありますが,そのような田んぼでは生き物がとても少なくなっています.
しかし,佐渡の田んぼは一つだけ大きな違いがありました.それは田んぼの畦付近に,もう一つ畦が作られその間を少し堀下げた「江(え)」と呼ばれる物が作られていました.

この江があるために,中干しの期間にも生き物がそこに逃げ込み,生き延びることが出来ます.調査では,大きなドジョウやガムシ・ゲンゴロウの仲間が見つかりました.このような生き物は能登にもたくさん生息していますが,残念ながら田んぼの中では見かけることはありません.稲作の過程でどうしても生き物が住めなくなってしまう時期があるからです.

佐渡での取り組みは,本当にちょっとした工夫でした.このおかげで田んぼの生き物がずいぶん増えているそうです.しかし佐渡市の担当者の方には,この江を作るだけでも,当初は農家の方の理解を得ることが難しかったとお聞きしました.この取り組みは能登でも出来ることです.自然学校とNPOおらっちゃでは,すぐにでも導入し,農家さんと協力して能登の生き物を育むお米作りのブランドも立ち上げたいと考えています.

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最後は,トキの森公園で飼育されているトキを見てきました.トキの美しい色をこの目で見ることができ,しばらくトキが人と共に共存する里山を想像していました.

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たらい舟に見送られて,珠洲に向かいました.
短い時間でしたが,いろいろと勉強になりました.なにより参加者の方々に,トキとトキを育む地域の活動が紹介できたことが大きな成果だと思っています.今後は,佐渡と能登の交流も企画したいと思います.

(帰り道は,ものすごい荒波を越えていく大冒険でしたが,それはまた別の機会に).

投稿者 赤石大輔 : 21:01 | コメント (0)