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2008年10月03日

2008年マツタケの発生予測

9月30日の北国新聞一面に、珠洲のマツタケ初お目見えと大きく記事が載っていました。
発生開始時期は、例年並みだそうです。

記事詳細はこちら → 北国新聞

9月は20日を過ぎた頃から、ぐっと涼しくなり、最近など夜は寒いほどです。
マツタケは秋が涼しい方が豊作になり、暑さがぶり返すと収量が落ちると言われています。そのメカニズムを紹介しながら、今年のマツタケの発生量を予測したいとおもいます。いや、占う、程度かな?

マツタケの子実体(きのこの部分)が発生するためのきっかけは、地温が19℃以下になることだと言われています。19℃以下になると、マツタケのきのこを作るスイッチが入り、子実体原基(きのこの赤ちゃん)が作られます。
残暑が厳しいと、いつまでも子実体原基が形成されず、きのこができません。また、一度低温になり子実体原基が作られても、暑さがぶり返すと原基がだめになってしまい、そこからはきのこが出なくなります。
マツタケが秋のキノコで、発生のきっかけが地温であることから、近年の温暖化が発生量に大きく影響すると考えられています。

今年は調査の一環で、調査地の地温を計測しています。9月の地温の変化を見てみましょう。

landtempofsite1.jpg

図は、平均気温(黄色)、最低地温(ピンク)、最高地温(青)、降水量(青バー)を示してあります。
気温は、20日以降ぐっと下がり、20℃以下になりました。地温もそれを追いかけるように下がり、27日に19℃以下になりました。

子実体原基が形成されてから7-10日でキノコが地上に現れると言われています。
順調にいけば、10月4日頃には発生するかもしれません。

さて、マツタケをはじめキノコ類の子実体は90%が水で出来ています。ですから子実体を形成して地上部に出るときに十分な水が必要で、水が少ないとキノコの数が少なかったり、一本が細くなることがあります。今年の降水量を見てみましょう。

10yearsrainandproduction.jpg

図は、1999-2008年の9月の降水量(青バー)と、マツタケ発生量(ピンク)を示しています。
ここ10年間、100ミリ以下の年は、昨年と今年だけです。
他の年は150mm以上の年が多くなっていますが、今年9月の降水量は45mmでした。
マツタケの発生量は、2005年まで、なんとか1トン以上ありましたが、2006年からは非常に少なくなっています。昨年は戦後最悪なんて言われましたが、今年は降水量に限っては昨年よりも悪くなっています。

このまま雨が降らないと、今年も豊作というのは難しいかもしれません。
ただ、どんな専門家もマツタケの発生予測は当たった試しがないようで、私のはじめての予測もアテにならないと思っています。

投稿者 赤石大輔 : 2008年10月03日 20:12

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