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2008年09月27日

9月の保全活動

9月27日

里山里海メイトの定期保全活動で、今回はマキ作りとビオトープ整備を行いました。今回の作業には19名の参加がありました。

マキ作りは、毎回保全活動を行っている自然学校の保全林で行いました。
珠洲森林組合の協力も得て、保全林はかなり切り開かれました。
この保全林は将来たくさんの美味しいきのこが出る場所として整備し、地域の方々や石川県内外の多くの方に珠洲の里山を知っていただくモデル林として活用していきます。そのための整備を行っていますが、整備で出る木材を何とかしたいと前々から思っていました。昨年は薪ストーブを自然学校に導入しましたが、今年はあらたに珠洲市に数台の薪ストーブを導入する予定です。

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実は、自然学校と協働で保全活動を行っているNPO「能登半島おらっちゃの里山里海」は、 環境省の循環型社会地域支援事業に採択されています。
この事業の中に、里山保全 ー> 薪ストーブ ー> 灰の利用 ー> CO2削減と環境保全という循環を奥能登に作りだすという目的があります。
今回の保全作業はこの事業の一環として行いました。

NPOの設立については、また後日ご報告させていただきますが、今後はこのNPOと自然学校が協力した事業が多く展開される予定です。

今回の保全作業であらたに薪割り機が導入されました。切り出した木を35cmの大きさに整えて、薪割り機に載せると、薪割り機のすさまじいパワーで大きな木材も難なく割っていきます。
2時間足らずでマキの束が30足ほど出来ました。山にはまだまだマキにする木材が残っています。これを薪ストーブに利用し、化石燃料の消費を減らすことで、里山保全と二酸化炭素の削減を両立できるわけです。

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別グループは、石川県と珠洲市が創設したゲンゴロウの生息地保全を目的としたビオトープで草刈りを行いました。

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石川県が環境省の「生物多様性保全推進支援事業」に採択されており、自然学校と「おらっちゃ」が協力しています。
今回はその一環として草刈りを行いました。

セイタカアワダチソウが見事に育ち、ひとの背丈を優に超えています。
それを草刈り機でどんどん刈り取っていく作業を行いました。大変ですが、ゲンゴロウの生息地を保全するためには必要な作業です。

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かつて田んぼが維持されている時代ならば、草刈りも田んぼの水管理も農家が自主的にやり、ゲンゴロウの住みかもその横に確保されていたわけですが、いまは田んぼのないところにあえてひとが草刈りをして維持しています。
なんとか負担の少ない作業にしていきたい、そうしないと長期的にこのビオトープを維持することは出来ないと思います。どのような方法が良いのかみんなで考えていきたいと思います。
今回も無事、保全活動を終えることが出来ました。参加していただいた皆さん、本当にありがとうございました。

追伸:
自然学校のビオトープで、6月に田植えをした田んぼのお米が実りました。
来週10月4日(土曜日)は稲刈りを使用と考えています。
もし良かったら皆さんもご参加ください。

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投稿者 赤石大輔 : 19:44 | コメント (2)

2008年09月26日

へんざいもん第31回〜第34回

へんざいもん第31回から第34回をお伝えいたします。

第31回 平成20年8月23日

品 名:材 料
ご飯:白米
みそ汁:豆腐,ミョウガ
サバの塩焼き:サバ,(付け合わせ:トマト)
炊き合わせ:ニシン,ジャガイモ,ニンジン,ナス,インゲン
野菜の炒め物:ジャガイモ,インゲン,ニンジン,ハム,卵
おひたし:ナガイモ,モロヘイヤ
インゲンのピーナツ和え:インゲン,ピーナツ
キュウリとイカゲソの酢の物:キュウリ,イカゲソ
カジメの煮物:カジメ,油揚げ
デザート:メロン

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<<今日の感想>>
今日も豪華なメニューです。ご膳の左上にある漬け物はなんとスイカ!
お客さんの中でも大変人気のあるへんざいもん漬け物ですが、(漬物は持ちよりなので、どのスタッフの漬け物が卓上に上がっているかを考えながら食べるのも結構ひそかな楽しみでもあります)今日は持ちより分が少なかったらしく、調理場に少しだけあったスイカの皮でササっと「スイカのあっさり漬」を作ってしまったそうです。手際の良さが素晴らしくて感心です。
「え!?スイカの漬物??」と興味津々で食べてみたところ、後味でほのかなスイカの存在をアピールしていましたが予想以上にしっかり漬物の役を果たしていました!恐れ入りました。って感じでした。
おひたしは、素材をそのまま切ってあるだけなのに、なぜか一番美味しかった気がする。ナガイモもモロヘイヤも本当に美味しかった。夏はネバネバ野菜を食べてると夏バテしないような気がします。スタッフによるとモロヘイヤは細かく切ってみそ汁にしても美味しいらしい。食べたことがないので今度へんざいもんで出してほしいです。
夏も後半、夏野菜を摂取して乗り切りたいです。今日もごちそうさまでした。
本日利用人数:17人

第32回 平成20年8月26日

金沢大学の施設部長らが、自然学校のある能登学舎の視察にこられました。
金沢から遠く離れた珠洲での取り組みについて、大学本部としてどう協力できるか考えたいとおっしゃっていただきました。今後はさらに施設の充実が図られることを期待しています。
この日は平日でしたが、大学職員と我々能登学舎スタッフのためにへんざいもんを開いていただきました。

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品 名:材 料
ご飯:白米
みそ汁:豆腐,もずく
煮物:シイタケ,ニンジン,こうや豆腐,サケ,ササギ
焼き物:カマスの塩焼き
天ぷら:サツマイモ,カボチャ,ピーマン,ナス,ミョウガ
酢の物:ソウメンカボチャ,キュウリ
和え物:インゲンのゴマ和え,コンニャクの炒りつけ
おひたし:ナガイモ,モロヘイヤ
デザート:スイカ,梨
本日利用人数:23人


第33回 平成20年9月5日
三崎公民館の方々が、地域について学ぶ講座を開かれ、能登学舎の視察にこられました。
私から自然学校と里山マイスターの取り組みを紹介したところ、
「この取り組みは十年も二十年も続く確約があるのか?」
と質問されました。
私たちも出来ればそのように長い取り組みにしていきたいと思いますが、そのために常に新しい予算を獲得するため努力を続けていると説明させていただきました。
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第33回のメニューを紹介します。

品 名:材 料
ご飯:白米
ご汁:白豆
煮物:ジャガイモ,シイタケ,ニンジン,インゲン,ゴボ天
コゾクラのムニエル:コゾクラ,(付け合わせ:ソウメンカボチャ)
さつま揚げ:アジ,ゴボウ,ニンジン,ニラ,ササギ,タマネギ
ナスとシシトウの揚げ出し:ナス,シシトウ,ショウガ
切干しダイコン:ダイコン,ニンジン,油揚げ
ワラビの煮物:ワラビ
煮豆:キントキマメ
ダイコンの酢の物:ダイコン,ニンジン,青シソ,ゴマ
ぜんざい:能登大納言小豆,カボチャ,白玉粉
本日利用人数:28人

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第34回
平成20年9月6日
里山里海食堂 へんざいもん

本日のメニュー
本日利用人数:24人
品  名 材     料
ご飯 白米
そうめん そうめん,ナス,ミョウガ,ネギ
肉じゃが 豚肉,ジャガイモ,ニンジン,タマネギ,糸コンニャク
塩サバ(タマゴおろしがけ) サバ,ダイコン,タマゴ,付け合わせ:ピーマン,トマト
キンピラゴボウ ゴボウ,ニンジン,ゴマ
ヒジキ煮 ヒジキ,ニンジン,ダイズ,油揚げ
イモヅルの煮物 サツマイモのツル,さつま揚げ
モズクの酢の物 モズク,ショウガ

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今日の感想
9月に入りましたが、まだまだ蒸し暑い日が続いています。今日のそうめんは、にゅうめんでした。暑かったので、冷たいそうめんだったら嬉しかったなぁ・・・と思いながら頂きました。
イモヅルの煮物のツルとはサツマイモのツルです。やわらかくて癖もなく美味しかったです。へんざいもんスタッフによると、サツマイモのツルは今の時期より早くてもサツマイモが育たなくてダメだし、今より遅く取ると固くて美味しくないそうです。そして、今頃にサツマイモのツルをいじめてやるとサツマイモが太るそうです。何て効率的なんだ。自然の仕組みと人間の知恵ってすごい!と驚きでした。
今日のモズクの味付けも美味しかったです。しかもモズクもやわらかくてのどごしも最高でした。
塩サバも油がのっていておいしかったですが、サバにかけてあるタマゴおろし、これはダイコンおろしに卵を混ぜて蒸したものです。あっさりした味でした。へんざいもんは常に新しいメニューへの挑戦をしているんですね。これからも頑張ってください。今回もごちそうさまでした。

投稿者 赤石大輔 : 16:38 | コメント (0)

2008年09月18日

保全林でも出ました!


9月18日

自然学校の保全林もキノコが出ているか調査しました。
ズベタケ出ていました!たった一本でしたが、整備したアカマツ林から顔を出していました。

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「こんにちは、はじめまして。いただきます。」

保全作業を初めて2年、成果は徐々に上がってきています。
今年の秋は、昨年よりもキノコの発生量は多いと期待していますが、9月には言ってなかなか雨が降らず心配しています。
ここらでたっぷり雨が降ってくれると、美味しいきのこが豊作になるのですが。

他の場所には、このようなホウキタケの仲間が出ています。
これが食べられればいいのですが、よく能登で食べられているものとは姿がちょっと違います。図鑑などで調べましたが名前はちょっと解りませんでした。ご存じの方はご連絡ください。

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今後は地域の方々と共にさらに保全林の面積を広げる予定です。
来年は広いエリアできのこ狩りが出来ると期待しています。

投稿者 赤石大輔 : 11:25 | コメント (0)

2008年09月17日

秋のキノコスタート

9月16日

春蘭の里で、思いの外キノコがたくさん採れたので、これは珠洲でも?
と思い、早速調査に出ました。

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ありました!
珠洲市が整備をしているアカマツの整備林一面に、ズベタケ(ヌメリササタケ Cortinarius pseudosalor)が出ていました。

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道の駅などでも販売されているキノコで、1パック1000円はこのキノコでした。
キノコ狩り(いやいや調査でした)の結果、かなりの数が集まりました。だいたい3000円くらいかな?まさにエコシステムサービス、里山からもらえる恩恵です。

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地権者の方にご報告したところ、全部持って帰って良いとおっしゃっていただきました。
今実家から両親と親戚が能登に来ていますので、お汁にしてみんなで食べました。
みんな初めて食べましたが、おかわりもしてくれました。美味しかったです。

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アカマツ林の保全作業は、地掻きというしんどい作業があります。
このように美味しいキノコがたくさん出て、近い将来マツタケも発生するようになれば、そのような作業費もまかなえる様になります。キノコ狩りツアーなど、観光の目玉としても発展させることも可能だと考えています。

しかし、そのためには地道な整備と丹念な調査が必要です。
地権者の方のご理解と、様々なサポートなしでは非常に困難な取り組みなのです。

投稿者 赤石大輔 : 10:08 | コメント (2)

2008年09月16日

能登エコ・スタジアム2008

9月14-15日

能登エコ・スタジアムが開催されました。2010年に日本で開催されるCOP10「生物多様性条約第10回締約国会議」に向けて、石川県は生物多様性保全に県を上げて取り組むことになりました。石川県が特に力を入れているのが日本の生物多様性の重要拠点である里山里海です。今回のエコ・スタジアムは石川県の里山里海とはどういったものなのかを学ぶツアーです。
私はその中で「キノコ山を利用した里山保全」をテーマにしたエクスカーションを担当し、能登町「春蘭の里」で保全活動とキノコの観察会を行いました。参加者は17名でした。

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金沢からバスで能登有料道路を2時間ほど走り、西山インターで休憩を取りました。インターの売店で売られているキノコを発見!ホウキタケの仲間と、ヌメリササタケが1パック1000円ほどで売られていました。スーパーで売られている
キノコ類は1パック100円で買える事を考えると、野生のキノコの付加価値の高さがよくわかります。とても美味しいこと、そして野外でしか採れないという希少価値が反映されています。能登空港近くの 道の駅「桜峠」でも天然のキノコを買うことができます。

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能登へ入り、愛菜市場というところでキノコ採り用のカゴを買いました。
集落のおばちゃん達が作ったものだそうです。中国産の多い中、国産の竹細工を手に入れられる贅沢を味わいました。竹かご1つ1200円です。

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春蘭の里に到着。お昼を食べた後、私から里山とキノコの関係や、能登の里山の現状について紹介し、春蘭の里の多田さんから取り組みの紹介を頂きました。
その後、春蘭の里が持っているキノコ山には入りました。今回は、少しでも山の保全活動をしたいと考えていましたが、思いの外キノコがたくさん出ており、保全活動というより、キノコ狩りになってしまいました。

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毒キノコがたくさん採れましたが、ホウキタケ、クリフウセンタケ、ヌメリササタケなど美味しいキノコも多数採れました。

夕方は、春蘭の里の実行委員の皆さんと交流会です。地元の山菜や野菜を使った天ぷらや煮物がとっても美味しかったです。また、今回採れたキノコをさっとゆでて醤油でいただきました。とっても味があって美味しかったです。
キノコをテーマに話題も広がり、地域の方々と参加者の交流も深まりました。

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翌日、地元の方が「ニセマツタケ」を持ってきてくれました。マツタケにそっくりな、マツタケではないキノコです。発生地がアカマツ林ではなく広葉樹の雑木林で、マツタケ特有の香りが少ないという違いがあります。今年は秋がやや早いそうです。そういえば珠洲も夜は肌寒くなってきました。

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今回のツアーは、里山里海の生物多様性について考えるというテーマで、5つのコースを設定し、奥能登で行われている様々な取り組みを紹介しました。私の担当したコースでは、奥能登の里山再生の起爆剤として、キノコ山作りを行うという話題です。里山再生は、人手が必要ですが、ボランティアでの保全だけでは限界は目に見えています。少しでも経済につながるような取り組みにしていくとが必要なのは誰でも知っていますが、なかなか難しいのが現状です。その中でキノコは、先ほども紹介したとおり換金性の高い里山の恵みで、キノコ狩りという観光にもつなげやすい資源です。
キノコが大好きな我々日本人にとってはとても素晴らしい 生態系サービスであるキノコというものを持続的に利用していける里山作りが能登で出来るのではないか?また美味しいキノコがたくさん出るアカマツ林には、トキやコウノトリ、大型のワシ・タカ類といった希少な鳥類の巣作りの場所になります。キノコ山を作ることで人間も他の生物も共存できる里山を維持することが可能なのではないか?そういった議論を、今回のツアーの後半で参加者の皆さんと出来たことは主催した意味があったと実感しました。

次回、そして2010年に向けて、奥能登での里山保全、日本の里山保全のモデルを構築できるよう取り組んでいきたいと思います。

投稿者 赤石大輔 : 10:16 | コメント (2)