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2008年08月22日

輪島市こども体験村のサポート

8月6日

輪島市が主催する 子ども長期体験村 で、昨年同様、自然学校独自の体験プログラムを提供しました。今回も体験村の9日目に三井の健康の森で、里山の生き物調べを行いました。

昨年度の様子はこちら →  2007年の体験村

昨年度の体験メニューは昆虫採集と、標本作りのみでしたが、今回はバージョンアップして、昆虫採集の他に植物・キノコの調査、水辺の生き物の調査を追加しました。昆虫採集には、角間の里山自然学校の中村研究員、水辺の生き物調査では自然学校でゲンゴロウの調査をしている大学院生にも活躍してもらいました。
さらに補助員として、今年6月に実習を経て里山里海リーダーの称号を取得した大学生達にも協力してもらいました。
自然学校の取り組みも次第に多くの人間が携わり、大きなものになってきています。

私の担当は、もちろん植物とキノコの調査です。夏の里山の生き物調査といえば、昆虫採集が一番人気だろうと思っていましたが、以外に水辺の生き物や、キノコ調査が人気でした。
昨年も参加していた子ども達がいたので話を聞いてみると、「去年は虫集めとかやらされて、マジ超どんだけー!とか思ったけど、今年は草とかきのことかあってマジ助かった(5年生女子)」とのこと。
平成生まれでも女の子は昆虫が苦手な子が多いようです。

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健康の森で散策をはじめてすぐに面白い植物がありました。
ツチアケビ Galeola septentrionalis です。
ツチアケビは、ランの仲間ですが赤い色をしています。つまり光合成をするための葉緑素を持たない従属栄養の植物なのです。ランの仲間には他にもムヨウランなど葉を持たないランが存在します。それではどうやって栄養を得ているのでしょうか?
このツチアケビはキノコの一種ナラタケArmillariella mellea を根の中に飼っていて、ナラタケから栄養をもらって生きています。植物なのにキノコに寄生して生きている珍しい植物です。
今回このツチアケビを発見したのは、キノコを栽培するために木材を地中に埋めた場所でした。おそらくナラタケが木材を分解し、その栄養をツチアケビがもらっているのでしょう。
おもわぬ待ち人と巡り会い、即興で森林生態系の仕組みや、キノコと植物の共生関係の説明をすることが出来ました。

植物とキノコの調査でしたが、子ども達にはどうやらキノコの方が人気なようです。確かに、林内一面に生えている緑のものよりも、ぽつぽつと顔を出している様々な色や形のキノコの方が、探す楽しみもあって子ども達に好まれたのだと思います。

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2時間ほど野外で散策し、午後からはとってきたキノコや植物のスケッチと名前調べをしてもらいました。
昆虫班、水生生物班も戻ってきて、たくさんの生き物が集まりました。
最後に、スケッチし名前を調べた生き物たちを、三井の健康の森の地図の上に貼っていきました。大きな模造紙いっぱいに、生き物たちの絵が並び、里山の生物多様性を表現できました。子ども達にも生き物の賑やかさを実感してもらえたと思います。

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生き物調べを終えて、夕食後は芝生の上に寝ころんで星空観察を行いました。
星座の説明など細かい話をしなくても、夜空いっぱいに広がる星空と天の川を見ているだけで、あっという間に時間が過ぎてしまうほどの美しい夜空でした。

とても元気で、少し生意気な子達でしたが、ちゃんとこちらの言うことを聞いてくれて、充実した体験を行うことができました。

投稿者 赤石大輔 : 2008年08月22日 21:40

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