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2008年08月20日

夏のアサギマダラ

8月9日

アサギマダラの調査は5,6月に百万石蝶談会の松井氏、里山里海メイト、みさき小学校、西部小学校と協働で
「アサギマダラ調査隊」
を結成し、600個体以上のマークを行いました。
春の海岸での調査は終わりましたが、夏は山でアサギマダラを見ることが出来ます。かつては秋に高い山で見られるチョウとして知られていたほどで、海岸沿いのスナビキソウを利用しているという生態がわかったのは近年になってからです。

アサギマダラの習性で、涼しいところを探して移動するので、気温のより低い北へ、または標高の高いところへ移動します。
能登まできた個体は、これ以上北へ行くには海を渡らなくてはいけません。もしかしたら海を渡るのをいやがって、山で休んでいるのかもしれません。山に生えているオオカモメヅルという植物は幼虫の食草で、この時期は珠洲で羽化した新成虫を見ることが出来ます。

珠洲では、山伏山(150m)や宝立山(460m)の山頂付近で見ることができ、山伏山の山頂にある神社の前を、アサギマダラがひらひらと飛び回る姿はとても神秘的です。昨年は琵琶湖から飛来したマーク個体を山伏山で確認することができました。夏のアサギもとても面白いです。

20080820P-01.JPG

夏休みなので、数人の小学生が自由研究のテーマで夏のアサギマダラの調査をしています。今回はその小学生とお父さんと一緒に宝立山でアサギマダラの調査を行いました。
(宝立山は昨年の地震で道路が崩れたり、新たに建設が進む風力発電施設の工事で大型のトラックが行き来していますので、調査の際は十分気を付けて山に登ってください。)

小屋ダム付近の林道沿いに、ヒヨドリバナが咲いており、そこにアサギマダラを見ることが出来ました。羽化したてと思われる美しい羽の個体や、ぼろぼろの羽になった個体など様々でした。8/9 ほうりゅう DAS1とマークし、放蝶しました。

20080807P-02.JPG

夏のアサギマダラが大好きなヒヨドリバナやフジバカマはキク科の里山の花です。
特にフジバカマは、秋の七草として知られていますが、近年その生息範囲が狭くなっており、絶滅が危惧される種となってしまいました。
里山の荒廃が、海の向こうからやってくるアサギマダラの生活に間接的に影響しているといえます。

秋の七草は以下の通り( ウィキペディア参照
萩(はぎ)、尾花(おばな:すすき)、葛(くず)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)、撫子(なでしこ)

帰り道、飯田にできた素敵な珈琲屋さんによってコーヒーを頂きました。
以前は木ノ浦に焙煎所があり、そこでおマメを買っていましたが、飯田にお店が出来たのでとても喜んでいます(まだマメ買ってないけど)。
コーヒーで調査の疲れを癒し、能登学舎に帰りました。

20080807P-03.JPG

投稿者 赤石大輔 : 2008年08月20日 18:55

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