2007年10月30日
金大祭参加!
11月3日の金沢大の大学祭に,
里山里海自然学校も参加することになりました.
珠洲でとれた小豆「能登大納言」とこれも珠洲でとれたお米を使ったおはぎ.
珠洲の海でとれたエゴを使った「ところてん」.
珠洲のイカをつかった「しおから」などなど,
里海メイトの皆さんと一緒に作った珠洲の美味しい食材を
たくさん持って行きますので,皆さん角間の里にぜひお越しください.
里山里海自然学校の出店は11月3日午前10時頃から,
角間の里の一角で行います.
珠洲の里海メイトも交流を楽しみにしています!
2007年10月27日
マツタケ発見
10月24日
珠洲市は昔からマツタケの名産地として有名で,現在も生産量は減少してはいますが,まだまだマツタケが豊富に出る土地です.
珠洲市と珠洲市森林組合は,減少しつつあるマツタケの生産量を取り戻すため,マツタケ山の再生事業を10年ほど前から続けられています.
以前,なぜ珠洲にマツタケが?というテーマでこのブログにも紹介しているので,未読の方はこちらを参照してください → 能登でマツタケがとれていた理由
さて,自然学校は能登里山里海健康診断調査をスタートしていますが,その一環として,珠洲市のマツタケ山の調査も行っています.
これまで珠洲市が行ってきた整備事業について,いったいどれくらい効果が上がっているのか?
これまでそれを確かめる方法は,地権者の方に
「整備後,マツタケは出てきましたか?」
というアンケートを採るしかありませんでした.
ですから定量的な調査方法で正確にその評価をしてみよう,ということでこの調査をスタートさせました.
そして今回,調査中にそのマツタケの姿を確認することができたのです!!
きれいに整備されたアカマツ林の林床に,ぽこっと頭を出しているマツタケを2つ確認できました.私自身,実は野外で発生しているマツタケを見たのは初めてで,飛び上がって喜びました.
どうやらこれまで確認できていなかった,新しいシロからの発生であるらしいです.マツタケの整備事業が着実に成果を上げていることの証明といえるでしょう.
この発見は,今日10月25日の北国新聞にも取り上げていただきました.
詳細はこちら → web版北国新聞記事
このマツタケ整備事業に対して珠洲市は大きな予算を割いています.
珠洲市民の方々が事業の成果を感じることができなければ,この事業を継続することは難しくなります.
ここで,アカマツ林を整備する意義について少し考えたいと思います.
まず,マツタケをたくさん出るようにしたいというのが一番の理由ですが,
珠洲市内にアカマツ林が健全な状態にあるということ自体,実は非常に貴重なことだといえます.
70年代以降,日本全国で松枯れ病が蔓延して,広大なアカマツ林が失われました.
珠洲ではまだまだアカマツ林が残っていますが,それは日本では珍しい部類に入ります.
アカマツの林を保存していくことで,アカマツ自身やマツタケ以外にも,ハルゼミなどの生物を保存することにもなります.
さらには,日本では絶滅してしまった「朱鷺」も,巣作りのためにアカマツを利用していたらしく,もう一度能登へ朱鷺を呼び戻すためには,やはりアカマツ林が必要になってきます.
このように,アカマツ林を保全することは,マツタケの増産以外にもおおくの意味を持っており,
生物多様性の観点からも珠洲市の事業は高く評価されるべきと私は考えています.
今日ようやくまとまった雨が降って,マツタケもまた少し顔を出してくれるんではないでしょうか.
今月と来月は頻繁に山に足を運ぶことになりそうです.
2007年10月23日
コノミタケ
10月18日
能登町柳田村周辺にて,能登特産の美味しいキノコ,コノミタケの調査を行いました.
去年も能登の道の駅などで販売されている物を見たことがあったのですが,発生をこの目で確認するため,
今回は地元の方に特別に発生場所に連れて行ってもらいました.
能登はおおくの里山が私有地ですので,勝手にはいることはできません.でも最近は金沢や富山からも
キノコシーズンにはたくさんの人が能登へやってきてキノコ狩りをされるそうです.
たくさんの人が能登にきてくれる,それはいいことだと思いますが,山を荒らしていく方も多く,
やはり里山に入るときのマナーを守ることが一番大切だと思います.
さて,今回はコノミタケの調査です.
コノミタケはホウキタケの仲間で,白い珊瑚のような形をしています.
奥能登,特に能登町方面では比較的たくさん発生し,昔から地元の人々に食べられていました.
「北陸のきのこ図鑑」には「好味茸」と漢字が当てられていて,好みの味,美味しい味のキノコという名前のようです.
しかしコノミタケという名前は能登の地方名,方言です.このキノコは正式な和名や学名がついていないのです.
能登の人々が昔から食べているようなキノコも,学術的にはまだまだ謎なキノコということです.
ホウキタケ全体の分類が遅れているのは,どこにでもたくさん出ているキノコではない,珍しいキノコであるということも一因のようです.
コノミタケはミズナラやコナラの多い雑木林に出るそうです.
おそらくナラ類の菌根菌(木と共生しているキノコ)だと思われます(これも確認する必要があります).
柳田村あたりは薪炭林が多くあり,そのような人によって管理された林に多く出ていたようですが,
最近発生量が減ってきているようです.やはり里山の荒廃が影響しているのでしょうか?
マツタケと同様,コノミタケも里山の大切な恵ですので,またたくさん出るようにしたいです.
山に入って最初に見つけたのは,コノミタケではなくホウキタケ(の仲間?)の方でした.
これは白い枝に先端がピンク色の美しいキノコです.山に発生している姿は始めてみました.
こちらもとても美味しいキノコです.
1時間ほど歩いて見ましたが,最初に入った山には残念ながらコノミタケは見つかりませんでした.
次の山を目指し移動する途中,直売所に入るとといくつか売られていました.
どうしてもほしかったので2200円のコノミタケを購入しました.
重さを量ってみると200gなので,㎏あたり11000円になります.
やはり高価なキノコですね.
2つめの山で30分ほど歩くと,ありました!ついに見つけました!
雑木林の林床に,白い珊瑚がぽこっと出ている様子は宝物を見つけたようでとても感動しました.その後も30分ほど歩き回って,4つほど見つけることができました.
今回は食べるためではなく,コノミタケの標本を手に入れるための調査でした.コノミタケがどういったキノコなのか,どんな生態をしているのか.他の研究者とともに今後明らかにしていきたいと思います.
2007年10月17日
保全林にシバタケが
10月13日
珠洲でもようやくシバタケが出始め,キノコシーズン到来といったところですが,
私たちが春から整備を始めた保全林でも,シバタケを見ることができました.
ここはかつてマツタケも出ていた場所でしたが,もう30年ほど放置されて,
アカマツもたくさん枯れてしまい,キノコに適さない林になっていました.
これまでは,雑木が生えすぎて足の踏み場もなく,林にはいることすらできませんでしたが,
春から里山里海メイトによって整備が始まり,9月には三井物産の社員の方々も
参加され,徐々に人が入れる林になってきました.
保全林の奥に残っていたアカマツの根本から,今回初めてこのシバタケを見ることができたのです.
とてもうれしくなりました.さすがに保全活動の効果であるとは考えにくいですが,私たちが保全している林にはまだまだキノコが残っていたし,これから作業を継続していけばさらに他のおいしいキノコが出る可能性があることが示されたと考えています.
今後は,アカマツ純林,アカマツコナラ混交林,タブ林など,珠洲の特徴ある植生を生かしつつ,里山保全活動の効果が訪れた方々にわかるようなレイアウトの林作り,また里山保全活動が林床植物やキノコ類に与える影響について実験できるようなデザインにしていきたいと思っています.
自然学校はようやく一周年を迎えますが,やることはたくさんあります.
まだまだ始まったばかり,といった心境です.
2007年10月09日
キンモクセイの知らせ
先日,角間の里へ寄ったとき,里山メイトのある方から「能登でもう金木犀は咲いたか?」
という問い合わせがあった.
「まだです,なにかあるんですか?」と聞くと,
「金木犀が咲いたら,シバタケが出るんや」とのこと.
なるほど,山の達人は人それぞれに自分なりの暦を持つというが,
シバタケのシーズン到来を金木犀の開花でよむのか.
シバタケは石川県での方言で,標準和名はアミタケ,学名は
Suillus bovinus (L.:Fr.) O.Kuntzeである.
数日前からようやく,珠洲でも金木犀の香りが出した.
シバタケもそろそろか,と調査ついでに自然学校の近所にある
めぼしいアカマツ林をのぞくと,あった.
日暮れ前の林の中で,ぽつぽつと出ているオレンジのつぼみを
発見することができた.
初物である.
勢いづいてあたりを探しまわるが,
今日は一カ所しか発生地点を見つけられなかった.
それでも食べられるキノコを発見したときは,特別な喜びがある.
秋の訪れを感じる,幸せなひとときだった.
こんなすばらしい体験を,近所の道ばたでできるのだから,
珠洲の里山は恵みの多い場所だ.
今年はキノコのシーズンが遅れている.
9月中頃にあった異常な暑さのせいだろうか,
キノコに限らず植物なども遅れているとのことだ.
今日は,自然学校が開校して一周年の記念日でもある.
一年がんばってきたご褒美に,キノコの神様が初物を
届けてくれたのだろうか?
しかし肝心のマツタケは,今年はまだ出ていないらしい.
このまま雨が少なければ,去年に続き不作の年になるかもしれない.
研究者も生産者も天候は操れないので,努力が報われない年は
がっくりと肩を落とすことになる.
マツタケが豊作になるように,
最後はやはり神様にお願いするしかないようだ.
2007年10月06日
公民館からお客様
珠洲の公民館から2件,自然学校見学の問い合わせがありました.
9月29日は三崎町公民館の企画で,小学生ら20名がこられ,自然学校の施設を
見学されました.
当日は,里山里海メイトの方々にも声かけをして,自然学校がこれまで
行ってきた活動の報告と,10月から始まる里山マイスター養成プログラム
について紹介いたしました.
その中で里山里海メイトの方から,こんな質問というか意見が出ました.
「あんた方は能登がいい,いいというけれども,私らにはそれがわからん.
じょうず(お世辞)でいっとるだけでなはいのか?」
たしかに,地元の方にしてみれば,能登のいったい何がそんなにすばらしいのか?
ゲンゴロウがいるため池にどんな意味があるのか?
その価値を理解していただくのは難しいことかと思います.
私たちでさえ,ゲンゴロウが大変希少になってきていること,
それがまだ珠洲に残っているということしか知りません.
ゲンゴロウやホタルのいる環境が,どれほどの意味を持つのか?
それを明らかにするために,「奥能登の健康診断調査」を開始しました.
奥能登の里山里海にどんな生き物が,どれだけ生息しているのか?
それが地域の農林水産業へどのような影響をもたらすのか?
たとえば生物多様性の高い環境で作られた農作物は,
大きな付加価値をもつ可能性を持っていますが,それがいったい
どれくらいのものなのか?そこまで掘り起こすことができればと思っています.
この健康診断調査は,研究者のみならず,地域住民の方々の参加が不可欠です.
なぜなら,地域の里山の現状を知り,良いところは今後も続くように保全し,悪くなっているところは修復していく.そこまで地域の方々に関わってもらうことを期待しているからです.
奥能登の各地域の方々も,里山の荒廃を危惧されている方,何とかしたいとお考えの方が多く,すでにそういった活動を始められているところもあります.
この自然学校の健康診断調査が大きな流れを生み出すきっかけになればとおもっています.
10月5日は蛸島公民館の企画で,蛸島のかたがたが自然学校に見学に来られました.
里山里海学習館で,珠洲の里山の歴史や,今も生息しているすばらしい生物たち,
人々の里山への関わりを説明させていただきました.
今回一番注目を浴びたのが,実はこの角灯(かくとう)でした.
見学にこられた方が,「あら,「かくと」や,なつかしいわー」というと,
皆さん集まってこられ「ほんとや,あれなつかしー」「まだあったのねー,どこにあったの?」「昔はうちにも...」
と盛り上がっていました.
「かくと」と発音されていたのでよくわからなかったのですが,
この角灯のことでした.昔はこれを漁船や船小屋で利用されたそうです.
この小さな四角いランプ一つで,話題が広がったのがとてもすてきだと思いました.
学習館の「農具・漁具」展示も,大きな価値を持っていそうです.


