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2007年07月30日

里山里海学習館 公開

7月21日

自然学校の一階に,「里山里海学習館」という施設がオープンしました.
公開日には,小泊の方々や隣の保育所の子供たちが来てくれました.

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この学習館は能登の里山里海の素晴らしさや,自然学校の活動内容を皆さんにお伝えする施設です.
自然学校に協力して頂いている多くの研究協力者の方々と,里山里海メイトの方々の協力により,完成しました.
展示パネルでは,里山里海という言葉の意味や大切さ,珠洲市の歴史と人々の営み,珠洲市の里山里海に生息する希少な生物たちの紹介をしています.
農具や漁具は,当時の人々の里山里海での暮らしを紹介し,水槽には珠洲市に生息する希少なゲンゴロウ類を生きたまま水槽で展示も行っています.

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子供たちにはゲンゴロウが好評でした.
すいすい泳ぎながら煮干しを食べているゲンゴロウの姿はとてもかわいらしいです.

「ゴキブリと一緒やね」
という声も聞こえてきましたが(^_^;)

 今回は特集として「三崎町雲津の瓦工場の風景」と題して,瓦の生産が盛んだった当時の写真や,
明治から現代までの瓦の変遷を,実物を展示しながら紹介するコーナーを設けました.
昭和のなつかしい珠洲の風景を是非一度ご覧いただきたいと思います.

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ところで,瓦作りと里山ってなにか関係があるのでしょうか.
実は瓦作りには瓦を焼く際に大量のマキが必要で,瓦工場のそばには常に里山から切り出してきたマキが大量に積んでありました.
塩造りと同様,マキを利用するということで,瓦作りと里山は非常に密接した関係にあったのです.
瓦作りが最も盛んであった昭和20−30年頃は珠洲市のマツタケ生産量も最大であったことがその関係を裏付けています.

今回は瓦作りに焦点を絞った,珠洲ならではの企画となりました.このような企画を今後も続けたいと思います.
夏休みですので,是非ご家族でご来館ください.

投稿者 赤石大輔 : 23:28 | コメント (8)

2007年07月24日

釜山2

大分時間が経ってしまいましたが,アップします.

6月22日,釜山の干潟と湿原を視察しました.

洛東江(ナクドンガン)河口は,世界有数の干潟です.
そこには,クロツラヘラサギ,マナヅル,ワシタカ類などさまざまな野鳥が飛来します.
淡水と海水が混じり合う汽水域は,多様な魚類も生息しています.
干潟は水質の浄化を行ってくれる腎臓のような役割も持っています.

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かつては広大な干潟がありましたが,釜山は近年急速に都市化が進んで,
徐々に干潟が少なくなっています.

韓国政府は干潟の保全のため,この干潟を保全地区として定め,
釜山大学と共同で,エコロジーセンターという博物館を建てました.
(私たちがおじゃました釜山大学の研究室では,釜山の貴重な干潟や湿原の生物多様性保全のため,植物や魚類について研究がされています.)

訪れた日のつい2週間前にできた新しい施設で,
釜山の自然史について見てさわって学べる近代的な博物館といった
雰囲気でした.修学旅行の子供たちもたくさん来ていました.
韓国の環境教育はものすごいスピードで成長しています.

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次に,内陸のウッポ湿原を訪れました.
ここも,渡り鳥のたくさん飛来する場所で,保全地区となっています.
周辺は水田が広がる農村で,日本の里山と非常によく似た景観でした.
さらにアカマツ林が多く,マツタケの産地としても有名だそうです.
(パンフレットにもマツタケが紹介してありました,しかし挿入写真は
エリンギでしたが(^_^;)

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なんと,ウッポ湿原の近くに,廃校となった小学校を利用して,
湿原の保全を学ぶ施設がありました.
写真や農具漁具などが展示してあり,
かつての湿原での人々の暮らしや,生き物についての解説がたくさんありました.

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本当に,里山里海自然学校とよく似ています.
こちらの方が数年早くできましたが,コンセプトも全く同じと言っていいでしょう.

「おらとこの自然学校といっしょやがいね」

という気持ちになり,近い将来ここと姉妹提携を結ぼうと,
かってに心に決めてしまいました.

日本と韓国は,非常によく似た景観を持ち,現在全く同じ里山問題を抱えています.
両国,またアジアの国々が共同で里山問題を考える必要が出てきているのだと思います.
韓国の里山里海が破壊されていく中で,多くの国民が保全のために活動をはじめており,
次第にその動きは大きくなっています.
日本は環境教育でも一歩進んでいると,勝手に思っていましたが,
どうやら韓国から学ぶことがたくさんあるようです.

2008年10月には,韓国で第10回ラムサール締約国会議(COP10)が開催されます.

投稿者 赤石大輔 : 21:33 | コメント (2)

2007年07月18日

ヤマドリタケモドキ

7月17−18日

富山大の学生が,珠洲,輪島市のため池の水質調査に,自然学校を訪れました.
最近,たくさんの研究者が自然学校に集まって奥能登の調査がスタートしており,
研究所として,賑やかになってきました.

珠洲の調査地の味噌池近くの林道で,目に飛び込んできたのは,
巨大なヤマドリタケモドキ Boletus reticulatus Schaeff.
傘の直径20cm,柄の太さ7cmほど,
これほど大きな物ははじめてみました.
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ヤマドリタケモドキは,コナラなどブナ科広葉樹林,またはマツとの混成林内に発生します.
ヨーロッパではポルチーニやセップと呼ばれ大変珍重されている
ヤマドリタケ Boletus edulis Bull.:Fr.の親戚.
ヤマドリタケよりも香りが弱いが,とてもおいしいキノコとのこと.

割ってみると,虫食いもなく,ほんのり甘い香り.材料としては最高!
それじゃあ食べてみるしかない!
今日はお客さんも来ているし,晩飯はこれを使って作ることにしました.

ヤマドリタケモドキは,和洋中どれにも合うそうです.
今回は,「ベーコンとヤマドリタケのクリームパスタ」にしました.
キノコの傘の部分は,ふんわりとして甘い.
柄の部分はしゃきしゃきとした歯触り.
おー,なかなか美味しい!

さらに,水でといた小麦粉をつけて天ぷら風にしてみましたが,
これはちょっと失敗.
ヤマドリタケなどイグチ科のキノコはひだの部分がスポンジ状になっていて,
水洗いしたときにたくさん水を吸ってしまい,油がたくさんはねました.
しかもスポンジのところが油だらけになって,しつこい天ぷらになってしまいました.
でも味は良かったです.

スープも作り,おなかいっぱいヤマドリタケモドキを堪能しました.

ヤマドリタケモドキは夏のキノコなので,この後もまだまだ出ると思います.
乾燥にしても良いらしく,これから楽しみです.

投稿者 赤石大輔 : 15:05 | コメント (0)

2007年07月16日

地震

朝10時.
平成19年新潟県中越沖地震による大きな揺れを感じました.
前回とほぼ同じくらいのゆれ,長い.
恐怖を感じました.

「またか,今度はどこだ.」
携帯電話,実家に連絡.
「大丈夫だから」
とだけ知らせ,すぐに切りました.

停電は起きていない,インターネットもつながる.
ネット速報「中越」
なんと.またか.
しかし周辺の被害は少ないようで,しだいに落ち着いてきました.

ひろ吉に向かい,その後自然学校へ.
自然学校も被害はなし.
何件か着信履歴.それぞれに無事を伝えました.

驚いたのは,金沢へ連絡した際,まったく知らなかったという返事でした.
ぜんぜん揺れ方が違うのですね.

珠洲で2度目の大きな地震.
もう来ないでほしいと願うばかりです.

投稿者 赤石大輔 : 21:54 | コメント (2)

2007年07月12日

里山健康診断調査

7月6−9日は能登の里山健康診断調査ということで,
柳田村のキノコ山,金蔵のため池,珠洲の薪炭林,自然学校が創設した水田ビオトープ
の調査を行いました.
どの日も短冊に願ったとおりの快晴で,かといって暑すぎず,楽しく調査が出来ました.

6日
駐村研究員の 高市さん が中心になって保全活動をされているキノコ山での調査を行いました.
7年ほど前から荒れた里山林を整備されて,伐採した枝などをハタケシメジというキノコの菌床として利用されています.
天然キノコの多かった柳田の里山ですから,整備して再び有用なキノコが発生することを見込んでいます.
周辺には,整備年数の違う林があるので,経過年数とキノコ相の変化を見ることが出来ます.
今回は,20m方形区を設置して,定期的にキノコの調査を行う予定です.
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7−8日
輪島市町野町金蔵のため池の生物を調査しました.
7日夕方には,金蔵の住民の方々へ,昨年の調査結果をまとめた調査報告会をさせて頂きました.かつての金蔵は稲作をするために必要な水が不足していました.
そのため集落には大小様々なため池が作られました.
現在もその水を使って金蔵米という美味しいお米作りをされています.
自然学校では,金蔵の美しい里山の風景に,どれくらい生き物がいるのか,またどのような状態にあるのかを調査しています.昨年11月に調査を行いましたが,今回は夏の調査と言うことでもう一度ため池の調査を行いました.
サンショウウオやフナ,ヨシノボリ,ゲンゴロウ,ヤゴなど多数の生物が見られました.

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夕方からは,住民の皆さんに集まって頂き,調査報告会をしました.
数年前から,ウシガエルがいくつかのため池で見られるようになりました.
ウシガエルは他の在来の生物を捕食するため,多様性が減少すると考えられています.
報告会では,ウシガエルの存在を住民の皆さんに紹介したところ,何とかしたい,何とかならないか?という活発な議論になりました.今後,駆除の方法を提案していきたいと思います.
植物の調査でも,多数の絶滅危惧種が存在しており,金蔵の里山は大切な生物の生息地であることが判ってきました.

8日の夕方に,里山里海メイトの皆さんと作った小泊の水田ビオトープの調査を行いました.
3月に創設して,4ヶ月経っていないのに,すでにたくさんの生物が移入していました.
メダカが多数繁殖していたこと,サンショウウオの幼生が多数移入していたことは,隣接する
ため池とのつながりが要因と考えられます.
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クロゲンゴロウの成虫も確認されました.
そして,大型ゲンゴロウの幼虫も確認されました.
希少なゲンゴロウが作ったばかりのビオトープに入り,そこで繁殖していたことは,
やはり感激しました.
自分のやり方は間違ってなかったんだと安心もしました.
能登の里山はまだまだ元気です.
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7月9日
珠洲の薪炭林の経過を視察しました.

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案内して下さったのは駐村研究員でもある 大野製炭の大野さんです.
大野さんがこれまで炭作りのために切り出した薪炭林を見せて頂きました.
経過年数1年,3年,5年,8年,20年と,様々な状況を見させて頂きました.
3年目は林床を様々な植物が多い,5,8年目の林は,萌芽したコナラが大きくなって,
林に近づいています.20年目の場所は立派な林に戻っていました.
薪炭林の更新サイクルと,伐採後の植物多様性の増加を目の当たりにすることが出来ました.

以上,4日間の調査はとても忙しかったですが,充実していました.
調査に協力して頂いた方に,心より感謝致します.

9日夕方,調査を終えてご褒美に蛸島へ釣りに出かけました.
釣り道具は ひろ吉さんにお借りしました.
今は,小さな鯖が釣れるとのこと.
2時間程度でしたが,小さな鯖を4匹とベラをつり上げました(ほとんど友人が).
鯖は開いて唐揚げにして,南蛮漬けにして頂きました.
とても美味しかったです.

投稿者 赤石大輔 : 00:24 | コメント (0)

2007年07月04日

釜山1

6月20−24日

韓国,釜山大学校にシンポジウム参加のため行ってきました.

海外旅行は99年のインドネシアにいったきりで,ほぼ8年ぶりとなりました.
(パスポートの写真をみて,ずいぶん年をとったなあとちょっとショックでした.)

韓国は初めての訪問です.

6月20日
小松から仁川へ,
出発前,空港に着くとニンニクのにおいがするなんて言われましたが,
仁川国際空港に降りてみると,そんな事はありませんでした.
とても大きな近代的な空港でした.

仁川から釜山へ,これも飛行機で.
釜山に近づくと,飛行機の窓から大きな干潟が見えました.
ものすごく大きな,日本海の腎臓といえる重要な干潟です.
今回の訪問目的には,釜山にあるこの干潟と,渡り鳥の飛来地として世界的に有名な湿地の視察も含まれていました.
釜山大学はこの大きな干潟と湿地(1998年にラムサール条約に指定されました)
の保全に力を入れており,大きな成果を上げています.
湿原についてはまた後日.

牛浦沼湿原 牛浦=ウッポ

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釜山大学は山の上にある広大なキャンパスを持っています.
そこまではどこかの金沢大学に似ていますが,釜山大学は大学の外がすぐ
街になっており,たくさんのレストランやショップがあります.
学生たちがキャンパスライフを楽しく過ごす素晴らしい環境に思えました.

釜山大学のHP


シンポジウムは21日に釜山大学の講義室で開かれました.

1st Scientific symposium of ecological research groups of
Pusan National Unicersity & Kanazawa University.
と書いた大きなポスターが張ってあります.
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金沢大学生態学講座と釜山大学淡水生態研究室の合同ゼミといった雰囲気です.
お互いの研究を紹介し,今後の連携研究の道を探りました.
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私も,これまでの研究についてと,現在能登で行っている活動について
紹介させてもらいました.英語での発表は大変でしたが,
釜山の学生たちに,能登へ是非行ってみたいと言ってもらえたので
とてもうれしかったです.もしかしたら8月には何人かやってくるかもしれません.
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シンポジウムが終わったあとの懇親会でも,学生たちと長いこと話をしていました.お互いなれない英語での会話でしたが,なんとかコミュニケーションがとれ,とても楽しい夜を過ごせました.

近い将来,金沢大学と釜山大学が能登の里山里海で共同研究が出来ることを期待しています.


〜美味しかったもの1〜

韓国料理は辛い物が多いですが,釜山は海鮮の宝庫で,
ホントに美味しかったです.

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釜山に着いた最初の夜は,素敵なレストランで
カルビとチヂミをいただきました.
このチヂミがふわふわのとろとろで,今まで食べたどのチヂミとも
違う食感でとても美味しかったです.

投稿者 赤石大輔 : 22:56 | コメント (4)