2007年02月28日
里山里海メイトの募集
能登半島 里山里海自然学校はこの春からいよいよ
本格的に始動していきます.
奥能登の自然や文化についての研究活動はすでに動き始めました.
次は,私たちの拠点がある珠洲市の里山里海を保全する活動を,
地域の皆さんと一緒にやっていきたいと考えています.
自然学校周辺には,多数の希少生物がすむため池や水田があり,
マツタケの発生する林もあります.
しかし,そういった豊かな里山が,過疎高齢化などで
どんどん無くなっているのが現状です.
私たち市民の手で,里山里海を守る活動をしていきませんか?
使われなくなった田んぼに水をためることで,ホタルやゲンゴロウの
すみ場所を作ることが出来ます.荒れ放題の雑木林やアカマツ林を整備すれば,おいしいキノコが秋には
顔を出してくれます.薪や炭を利用して,美味しいご飯を作りませんか?
山菜やきのこを採って美味しいおかずにしましょう.
里海がいつまでも豊かであるように,川や海岸を美しく保ちましょう.
そんな活動を行っていきたいと考えています.
皆さんのアイディアで多くのことが出来ると考えています.
里山里海メイトに是非参加して下さい.
<<連絡先>>
能登半島 里山里海自然学校
メールはこちら
電話/fax 0768-88-2528
10時から16時まで受け付けています.
お名前:
ご住所:
電話番号:
E-mail:
をご記入の上,メール,faxでご連絡下さい.
お電話でのお問い合わせもお待ちしております.
第一回の里山里海メイトの活動は3月18日に行います.
<<第一回里山里海メイト総会>>
開催日:3月18日午前9時から12時まで.
集合場所:珠洲市三崎町小泊の自然学校
<<活動内容>>
自然学校の看板立ての行事と,今後の活動について.
とくに保全活動を行うビオトープや雑木林を見て回り,
草刈りや歩道の整備など保全活動も行う予定です.
<<雨天の場合>>
雨の時も自然学校の交流室で,金沢での活動の紹介や
自然学校の取り組みについて紹介を行います.
<<今後の活動>>
定期活動は小泊の自然学校で,毎月1回行っていく予定です.
ビオトープの創設,雑木林の管理など里山の保全活動と,
キノコ狩りなど四季折々の能登の恵みを楽しむ会,
昆虫採集,野鳥観察など自然体験や学習活動も
取り入れていきたいと思います.
年1回からの参加も大歓迎です.どうぞお気軽にお越し下さい.
能登の里山里海をみんなの手で美しく保っていきたいです.
皆さんの参加をお待ちしております.
2007年02月27日
半島らしさ
2月25日
「半島地域づくりフォーラム」に参加.
この日は,珠洲の食祭「珠洲まるかじり」も開催されており,
久しぶりに珠洲の街が人であふれ,にぎやかになった.
フォーラムでは,全国の半島地域の方々が,
それぞれの活動について発表された.
いつも調査でお世話になっている金蔵学校のIさんもご自身の取り組みについて発表されていた.
3方を海に囲まれ,交通の便も悪い.
半島は地理的に不利な場所.しかし,半島にしかない良い物もある.
それを見つけ,育てて売りにしていこう.
そういったシンポだった.
また講演のなかで「半農半漁はどっちつかずで貧しい証拠だといわれてきたが,
そうではない,逆にどちらもある豊かな場所なのだ.」
という意見を聞き,ふと昨年のことを思い出す.
昨年春に門前を訪れたとき,海岸の村に,海藻を干す棚が並んでおり,
そこには一緒にワラビも干してあった.
門前のHさんから,「わしらクルミ拾いは海岸でしたよ」と教えて頂いた.
クルミが沢沿いに生え,実が川に落ちて流れていき,
海に着く頃には果肉がとれて,クルミの種子が海岸で拾えるわけだ.
何とも半島らしい風景,文化だと思う.
写真は昨日撮影した自然学校の近くのため池.
車道からちょっと入ったような場所にも,
はっとするような景色がのこっている.
半島の先端で,時代に取り残されてしまった風景は,
私たちにタイムスリップを体験させてくれる風景でもある.
そんな貴重な風景も能登の大きな財産だろう.
2007年02月17日
2月17日
2月17日
婦人会の方々が,お花や手芸の発表会をするということで,
自然学校の交流室を利用して頂いた.
小泊の婦人会は昔から非常に活気があり,それが現在も続いている.
美しくいけられたお花,テーブルにはきれいなクロスと,簡素な交流室が
いつになく華やいだ雰囲気になった.
発表会の後,私から里山里海自然学校の設立主旨と,今後の活動について
紹介させて頂いた.里山里海メイト(仮称)の募集も行い,
皆さん非常に関心を持っていただけた感触.
珠洲在住の,ダイビングの先生も来られており,珠洲の海で
ダイビングの講習やツアーも考えられないかと提案をいただいた.
私も,かねてからダイビングを経験してみたいと思っていたが,
珠洲には木ノ浦にダイビングスポットはあっても,インストラクター不在という状況であった.
これは願ってもないチャンスなので,話を進めたいと考えている.
昼過ぎから,保全作業を行う雑木林の散策.
地権者の方に了解をえて使わせて頂けることになった.
アカマツが多く残っている場所が,農道から見える.
見えるのだが,そこまでたどり着けない.
クリなど広葉樹がずいぶん大きくなっており,ヒサカキなど低木もかなりある.
このとげとげはサルトリイバラか?途中で挫折しそうになる.
ようやくたどり着いた場所も,アカマツの他低木が茂っている.
春の保全作業では,まずこの低木類を刈り取り,アカマツエリアまでの道を造ることからスタートしなくては.
帰り道,水田の畦を歩きながらため池や水路をのぞくと,各所にクロサンショウウオの卵塊を見ることが出来た.
もうすぐ春ですね.
2007年02月13日
マツタケ山視察
2月9日
京都の岩倉村松にて, マツタケ十字軍の活動視察.
岩倉は岩倉具視が幽棲していた場所で有名だが,
松茸の産地としても有名だったらしい.今でも発生している場所もあるという.
バス停より歩いて5分,団地のすぐ裏にマツタケ十字軍の活動拠点はあった.
ぱっと目に飛び込んでくる整備されたアカマツの小山.
ここは,バブル期に宅地造成されたが,バブルがはじけて25年そのまま放置された
場所らしい.
造成のために表土は削られ,痩せた土地にアカマツ林が出来た.
2年前から整備が進められ,松枯れで倒れた木を下ろし,コナラなど広葉樹,
ササなどの下草も刈り払い,現在に至る.
整備されたアカマツ林はとても美しい.
いつマツタケが拝めるかと聞くと,「早くて5年後,おそければ30年後」
と笑いながらみなさん答えられる.
マツタケは待つだけ(ダジャレです)ですか?
と気が遠くなってしいそうだが,いえいえ,こんなのもあります.
小さなアカマツの苗は,マツタケの菌根をもつ苗だ.
マツタケシート(マツタケの菌糸がたくさんついた不織布)
にアカマツの根を包み,マツタケを感染させる.
この苗についた菌が,30−40年生のアカマツの根にも感染すれば,
マツタケの発生が見込める.
このように,林を整備して待つだけでなく,マツタケを導入しちゃおうというアクティブな
方法にも取り組まれている.
マツタケ十字軍の活動は毎週行われている.
活動拠点には,手作りの小屋,テーブル,椅子,かまど,ピザ釜がそろい,なんだか秘密基地みたいだ.
みんなで昼食を作り,食べる.燃料は切り出した木材.隣には畑もあり,宇治の方が作られた茶畑もある.今日は野菜たっぷりのおみそ汁,炊き込みご飯,釜で焼いたジャガイモ,お好み焼き,焼きそば,漬け物など,おなかいっぱい食べた.
やはり,ただマツタケ山の整備をするだけでは,苦労が多く,
楽しみも少ないため継続は難しいだろう.
楽しみながらやる,十字軍のやり方は大変参考になった.
マツタケ十字軍のメンバーは200人以上,毎週の活動にも関わらず20−30人
の参加者がある.多くは京都,大阪の定年を迎えられた団塊世代の方々だ.
人口100万の都市,都市に住む団塊世代,近郊にある活動拠点.
京都は良い条件がそろっている.
かたや珠洲市は,人口1万9千人.
半島の先端で,金沢からも遠い.
自分の畑や山を持っている方もおおく,
何で人の山で整備なんか,という意見も多いだろう.
しかし,珠洲市のマツタケ生産量は年々減少し,特に昨年は大不作だった.
珠洲のマツタケ再生には,山の整備しかない.
過疎,高齢化が進む奥能登でも出来る里山の保全.
また奥能登でしか出来ない里山の保全を考える,大チャレンジのスタートだ.
2007年02月06日
冬のキノコ
最近,ご近所の方々に,キノコの同定依頼が来るようになった.
この時期,たいていヒラタケ Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer
か,エノキタケ Flammulina velutipes (Curt.:Fr.) Sing.
のどちらかなのだが,小泊のヒトはあまり食べる習慣がないようだ.
現在の所ヒラタケ2件,エノキタケ2件.
たとえば,ヒラタケの別名はカンタケ(寒茸),エノキタケはユキノシタと呼ぶ土地もあるが,師匠の図鑑「北陸のきのこ図鑑」の方言対照索引によれば,珠洲ではヒラタケもエノキタケも「モタセ」ですまされている.モタセは木材から発生するキノコ(たとえばナラタケなど)のことを呼ぶことから,木から出てれば何でもモタセなわけだ.
エノキタケは菌床栽培のものが多く出回っているため,本来の姿を見て驚く人も多い.
写真は,ムクゲの木から発生したエノキタケ.
ものすごい数の傘で,ほんとにエノキタケかなと不安に思った.
去年までは花を咲かせていたらしいが,残念ながら枯れてしまうだろう.
角間でも昨月大きなヒラタケを採った.
今年はヒラタケやエノキタケに出会う機会が多い.
暖冬で,外を歩く機会が多くなったからだろうか?