2006年09月13日
きのことむし
久しぶりの更新になります.
今回は,7月に龍谷大学の瀬田キャンパスにある龍谷の森で調査を行ったときに
偶然見つけた昆虫の写真を紹介します.
キクラゲのような(不明種)キノコの上に乗っているこの昆虫の名前は,
マメダルマコガネPanelus ovatusといい,結構どこにでもいる
小さな甲虫らしいのですが,実はこのコガネムシはフンコロガシの仲間で,
後ろ足でコロコロ糞を転がす行動をします.
日本には,糞を転がすコガネムシはこのマメダルマコガネだけが棲息しているそうで,
マメダルマコガネが糞を転がす場面を見られるのも結構珍しいことらしいです.
そして私は,今回初めて偶然にもこのコガネムシが後ろ足で糞を転がすシーンを目撃することができたのです.
ピンボケで判りづらいですが,コガネムシより上の方にある丸いのが糞で,木の上の筋が
糞を転がしてきた軌跡です.
最近デジカメも買い換えたので,転がす姿を動画で撮ってやろうとカメラを構えたのですが,
キクラゲ?を見つけるなりこのコガネムシ,糞のことなど放り出してキノコにむしゃぶりつきました.
その後,結構長い間見守っていたのですが,キノコから離れる様子もなく,幸せそうに食事をしていたので,その場を立ち去り,調査を続けました.
思えば,ファーブル昆虫記のフンコロガシの話から,私の生き物への関心が始まりました.
日本産フンコロガシとの偶然の出会い,それがキノコの上だったのもなんだか感慨深い気がします.
一生懸命転がしてきた糞もわすれて,むさぼりついているそのキノコは,
どんだけ旨いのかな.