2006年04月14日
ヒラタケ
今日は,里山内の竹林プロットの伐採作業を行った.
これは,研究員の笠木さんが中心となって行っている
里山保全活動とそれに伴う林床植生の変化を追跡する研究の一環である.
今日行った竹林は,もともとコナラアベマキ林であった場所がモウソウチクに
侵入されて締まった場所で,所々まだ生きていたり,立ち枯れたコナラやアベマキ
が散在している場所だ.
以下の写真は,そこでアベマキの倒木から発生していたヒラタケPleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummerである.
ヒラタケは,寒茸(かんたけ)とよばれるように冬のキノコで,角間では12月から4月くらいまで出ている.そのシーズンは雪が多く,私の調査シーズンからはずれていたため,調査ではほとんど見かけたことはなかった.
ヒダのふくらんで見える場所は,線虫によって変形した場所で,このように見た目が悪くなるため,ヒラタケの商品価値が下がることから,原因と防除の研究されてきた.
ヒラタケに感染するこの線虫の運搬者は,キノコバエというハエの仲間である.
ヒラタケ+キノコバエ+線虫の三者間の相互関係という大変興味深い世界がこの中にある.
2006年04月05日
キノコの名前
年末から学位取得のため更新が滞っていました.
はれて卒業,4月からは研究生として在籍します.
今後もよろしくお願い致します.
さて,今日はキノコの名前について一つお話し致します.
エノキダケ,ベニテングダケなどキノコは「なになにダケ」と呼ばれていることが多くありますが,正式にはエノキタケ,ベニテングタケ,のように「なになにタケ」と和名が付けられています.
「タケ」の意味は,「猛る」に由来していると言われており,またマダケ,メダケなどタケ類の和名との混同を避けるためにも,キノコの和名は「タケ」とすべきと考える人が多いようです.漢字の「茸」も訓読みでは「きのこ」,「たけ」と読みます.
でも,エノキダケ,ベニテングダケのほかにも,最近ではドコモダケみたいに一般には「ダケ」が定着しているようですね.
実は,標準和名でも「ダケ」と付けられているキノコがあります.キハツダケ Lactarius flavidulus Imai とカヤネダケ Crinipellis caulicinalis Reaがそれです.
だからまあ,どっちでも良いみたいです.
大分弱いオチになってしまいましたね.
もし良かったら今後キノコの名前,気にしてみてください.