2008年06月29日
健康診断調査報告会
6月28日
「里山里海健康診断調査」の調査報告会がありました。
里山里海自然学校がこれまで奥能登各地で実施してきた、「里山里海健康診断調査」のこれまでの成果を報告し、近く中間報告書を出版する計画です。
今回は、それぞれの研究者が行ってきた調査の報告と、報告書の編纂について、今後の調査計画について議論を行いました。
報告会のプログラムは以下の通りです。
中村浩二教授:「奥能登の健康診断とは」
赤石大輔:奥能登地域の水生動物の多様性と生息環境について
高木政喜氏:金蔵の維管束植物インベントリー調査~能登半島の植生景観の要素の一つとして~
石原一彦氏:奥能登地方の両生類調査
井下田寛氏,木村一也氏:能登半島の鳥類相(2007~2008)
赤石大輔:奥能登地域におけるキノコ類の多様性とマツタケ山の再生状況
大宮正太郎氏:奥能登地域におけるゴミムシ類の多様性
石田幸恵氏:能登半島の溜め池の水質多様性とその決定要因
「水質の変化」という生態系の基礎となる部分から生態系の高次に位置する「鳥類の調査」まで、多岐にわたる分野について専門家が地元の方々と協働で行った調査から、能登の生物多様性の現状、里山の現状が少しずつ明らかになってきました。
キノコについては私から報告させていただきました。
内容をここで少し紹介します。
実は、1970年代に私の師匠である「石川きのこ会」の池田良幸先生が珠洲市各地の森林でキノコの調査をされています。
これは全くの偶然でしたが、よく考えればマツタケはじめキノコの宝庫である珠洲市で30年前に池田先生が調査をしていたことも、30年後に里山里海自然学校が珠洲に出来て私がキノコの調査を始めたことも必然といるかもしれません。なにしろ私にとっては幸運なことでした。
30年前の詳細なキノコ相のデータを、2007年の私のデータと比較すると、30年前にたくさんあったキノコが無くなっていたり、逆に少なかったキノコが増えていたりということが見えてきました。これは里山や森林の状態が30年間で大きく変化していると言うことを示唆しています。
各報告の後の総合討論では、調査にご協力いただいた地元の方々から、感想やコメントを頂きました。
「自分たちの住んでいる里山の生き物の様子がわかって良かった。これを今後は地域振興に生かせるよう、お互い努力していきたい。」というお言葉を頂きました。
この健康診断調査を実施して、明らかになったことから地域へどのような貢献が出来るのか?
地域の自然を生かした観光や産業に結びつけるような取り組みとは?
また、生物多様性をキーワードにした奥能登の振興とは?
自然学校の取り組むべき次の課題が見えたように思います。
閉会後も、スタッフで今後の調査計画について議論しました。金沢大学内外の研究者はじめ、石川県や国連大学のオペレーティングユニットとの連携もすすんでおり、里山里海健康診断調査をさらに高度なものにステップアップさせていきます。
里山里海健康診断調査の報告書は8月完成を予定しています。
投稿者 赤石大輔 : 2008年06月29日 12:48