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2007年12月01日

新たな決意で.

11月27日
「第三次生物多様性国家戦略」が閣議決定されました。

詳しくは持続可能な社会を目指す「サステナ・ラボ」さんをご覧ください.

この国家戦略にかかれている前文は,私たちが目指すこれからの社会をわかりやすく説明してくれています.わたしたち里山里海自然学校が能登で考えていること,みなさんに伝えたいことがたくさん含まれています.

ここに一部を紹介したいと思います.


前 文

地球上の生物は、生命が誕生して以来、およそ40億年の歴史を経てさまざまな環境に適応して進化し、その結果、未知のものも含めると3,000万種とも推定される多様な生物が生まれました。
これらの数え切れない生命は、ひとつひとつに個性があり、それぞれが網の目のようにさまざまな関係でつながっており、それが生物多様性の姿といえます。私たちが現在生活している地球の環境も、そうした生きものの膨大なつながりとその相互作用により、長い年月をかけて創られてきました。

私たち人類も生物であり、他の生きものとのつながりの中で生きています。まわりの生きものたちがいなくなれば、ヒトもまた生きていくことはできません。生物多様性の恵みがあることではじめて、私たちも暮らしていくことができるのです。
また、私たちは地域によって異なる伝統的な知識や文化を持ち、それらは豊かな生活には欠かせないものですが、多様な文化は各地の豊かな生物多様性に根ざしたものであり、地域ごとの固有の資産として必要不可欠なものといえます。

人類の誕生は、地球の歴史から見れば最近のことです。人類はこれまでに強大な力を獲得し、数を増やすことで地球生態系に大きな影響を与えてきました。
私たち人類は、たくさんの生きものたちに支えられている一方で、たくさんの生きものたちを絶滅させてきています。人類は過去の平均的な絶滅スピードをこの数百年でおよそ1000倍に加速させているともいわれています。しかし、科学技術が格段に進歩した現在でも、いのちを創り出すことができないのはもちろん、生きものたち同士の関係すら分からないことが多いのです。私たちのいのちは地球上のすべてのいのちとともにあることを謙虚に受け止めなければいけません。私たちの将来の世代が豊かに暮らすためにも、生物多様性を守り、その利用にあたって生物多様性に大きな影響を与えることのないよう、持続可能な方法で行う責任があります。

わが国は明治維新後、そして戦後に経済的な発展を成し遂げました。その一方で、南北に長く四方を海に囲まれ、本来豊かであるはずのわが国の生物多様性は失われてきました。 経済的な発展の重要性に比べると、生物多様性の豊かさが暮らしの豊かさにつながるということは忘れられがちでした。

日本人は、農業や林業、沿岸域での漁業の長い歴史を通じて、多くの生きものや豊かな自然と共生した日本固有の文化を創り上げてきました。しかし、近年の西洋文明との融合や科学技術の発達の中で、日本人と自然の関係は薄れ、それぞれの地域の自然と文化が結びついた特有の風土が失われつつあります。世界の人口が引き続き増加していくのとは逆に、わが国の人口は今後減少に転じ、100年後には現在の半分以下になるという推計もあります。それは100年前の明治の末とほぼ同じ人口です。
これまでの100年間のわが国の経済発展はめざましいものがありますが、人口が減少に向かう次なる100年に向け、わが国は、経済的な発展と豊かな生物多様性のどちらかを選ぶのではなく、その両方を実現しなければいけません。生物多様性の面からは、人口が増加を続けたこれまでの100年の間にさまざまな要因により損なわれてきた国土の生態系を、自然の生態系が回復していくのに要する長い時間を踏まえ、「100年計画」といった考え方に基づき回復していくことも必要です。

この第三次生物多様性国家戦略は、人と自然とのより良いバランスが確保され、人と自然が共生することを通して恵み豊かな生物多様性をはぐくむ「いきものにぎわいの国づくり」を目指して、生物多様性の保全とその構成要素の持続可能な利用を進めるための政府としての計画です。しかし、その達成のためには、それぞれの地域での地に足のついた活動がなにより重要であり、地方公共団体や民間企業をはじめとするさまざまな主体や多くの国民による協働が必要です。この国家戦略が示す大きな方針のもと、老いも若きも、そして男性・女性を問わずひとりひとりが行動することで、いのちにぎわう豊かな日本の未来を拓いていかなければなりません。



生物多様性と国の発展を100年のスパンで考える,という大きな目標が立てられています.これまで日本政府が「100年計画」という言葉を使ったことがあるのかわかりませんが,目先のことではなく21世紀の日本を本気で考えていく決意に感動しました.

振り返って,能登の場合,急速に過疎・高齢化が進むなか,
目標は「この10年で何が出来るのか?」のように思います.
自然学校が能登で何ができるのか?何を残すことが出来るのか?
そのことを毎日考えて,活動を広げる努力をしていますが,
時々,膝をつきそうになることもありました.
しかし,この前文を読んで,自分のやっていることは決して間違ってはいないと実感し,
今後も自然学校の活動に全力で取り組んでいこうと決心が出来ました.
これからも,どうぞよろしくお願いいたします.

投稿者 赤石大輔 : 2007年12月01日 11:24