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2007年06月01日

春のしばたけ

6月1日

富山大の先生方2人と,金沢大の学生4人が調査に来られました.

富山大の方々は,珠洲と金蔵で,ため池の水質について調査をされました.
どうやら,かつて海の底だった場所と,島として残っていた部分で,
現在の水質が異なっているかもしれないということです.
アカマツが珠洲にたくさんある理由も,地質が影響しているということも考えられるそうです.勉強になりました.

三崎町の雁の池付近を調査中,アカマツの下に,アミタケ Suillus bovinus (L.:Fr.) O.Kuntze が!!

070601-2.jpg

石川県では,「しばたけ」と呼ばれ親しまれている秋の風物詩ともいえるキノコです.
それがこんな時期に発生するなんて?と思われる方も多いと思います.
しかし,キノコの中には適度な雨と気温になると,
春と秋の2回発生する種類も結構あります.

(地方によってはマツタケも春に出ることもあるらしいです.)

先日,科学雑誌「SCIENCE」に,これと関係した興味深いデータが載っていました.→ 論文の要約

この論文では,イギリスで1950年〜2005年までの52000個のキノコの発生パターンの傾向を調べました.
(それだけでもものすごいデータです!イギリスの生態学の歴史はすごい).

気候の変化で夏の終わりが暖かく,秋の雨が多くなってくると,
キノコも早くから遅くまで発生し続け,
その発生期間が1950年から2005年で2倍以上(33日から74日)になったそうです.
また,秋にしか見られなかったキノコが,気候の変化で1975年くらいから
春も発生するようになったという結果が示されました.

じゃあマツタケの場合はどうなんでしょうか?
発生期間が長くなれば,マツタケ狩りのシーズンがのびて喜ばしいことかもしれません.
しかし,残念ながらこの論文には針葉樹と関係のあるキノコは発生期間の変化は見られなかったとあります.
また,秋に暖かいと,マツタケがキノコを作る気をなくすことも知られています.
秋の気温が18度以下になると,マツタケはキノコを作る準備を始めるのですが,
再び気温が20度以上になったりすると,せっかく作ったキノコの赤ちゃん(子実体原基)がそれ以上大きくならないそうです.
だから,秋に暖かい日が続くと,その年はマツタケは不作ということになります.
温暖化はマツタケにも大きな影響を与えるんですね.

さて,今日は珍しくキノコの話と,ちょっとアカデミックな話ができました.
みなさん,私も一応博士です,忘れないで下さいね.

投稿者 赤石大輔 : 2007年06月01日 19:53